ボストン美術館所蔵 「俺たちの国芳 わたしの国貞」
2016.3.9~6.5
No. 8
5月24日まで、上野・東京都美術館で開催されていた「生誕300年 若冲展」が凄いことになっていた。NHKスペシャル「若冲 天才絵師の謎に迫る」の再放送を初め、いくつもの若冲関連番組が放送されていたり、雑誌でも特集されていたりと、にわかな若冲ブームが来ていたので、混雑するとは思っていたが、さすがにここまでとは。最大5時間10分待ちとはびっくり。
というわけで、「若冲展」はあきらめ、上野ではなく渋谷へ。
ちなみに、最近の美術館は公式サイトで、現在の混雑状況や待ち時間をリアルタイムで教えてくれるところが多いので、混雑必至の人気展に行く場合は、事前に調べておくほうが良さそうです。この炎天下に5時間超の行列はさすがに辛いですからね。
「江戸時代から手紙(メール)好き」「江戸時代から髑髏(スカル)好き」というキャッチコピーに惹かれて、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されている「俺たちの国芳 わたしの国貞」展を観ることにしました。
こちらも、「若冲展」に負けず劣らず、人気の展覧会ですが、会期も長く(若冲は1か月と短かった!)、しかも、金・土曜は21時まで開館しているということもあって、夜型の私は20時過ぎに来館したので、さほど混雑はなく、落ち着いて鑑賞させていただきました。
幕末に活躍した2人の天才浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞。
現代に通じる自由でポップな作風は、とても170年前の作品とは思えません。今回の展覧会は、国外では世界一の日本美術コレクションを誇る“ボストン美術館”に所蔵されている1万4千枚あまりの国芳、国貞の浮世絵の中から、厳選された名品350枚を紹介するもので、1876年のボストン美術館開館以来初の大規模な国芳・国貞展だとか。しかも、これらの作品は一度貸出しされると5年間、公開されなくなるので、今回は貴重な機会でした。
作品は各テーマによって展示されているのですが、それがまたユニークで、
一幕目
一.「髑髏彫物伊達男(スカル&タトゥー・クールガイ)」
二.「物怪退治英雄譚(モンスターハンター&ヒーロー)」
三.畏怖大海原(ホラー・オブ・ウォーター)」
四.異世界魑魅魍魎(ゴースト&ファントム)
五.天下無双武者絵(サムライウォリアー)
二幕目
一.三角関係世話物(トライアングル・オブ・ラブ)
二.千両役者揃続絵(歌舞伎スター・コレクション)
三.楽屋裏素顔夢想(オフステージ)
四.痛快機知娯楽絵(ザッツ・エンターテインメント)
五.滑稽面白相(ファニー・ピープル)
六.今様江戸女子姿(エドガールズ・コレクション)
七.四季行楽案内図(フォーシーズン・レジャーガイド)
八.当世艶姿考(アデモード・スタイル)
と、まあこんな感じ。一見、歌舞伎の演目のように書かれているのですが、そこにつけられたフリガナがなんともポップ。そんなふうに、江戸の浮世絵をポップアートとして見てみようという試みがユニークで、新鮮です。
猫を愛してやまない国芳。作品の中にはあちらこちらに猫が描かれています。
「初雪の戯遊」という雪の日に女性たちが遊ぶ姿を描いた作品の中央には“雪だるま”ならぬ、雪で作られた大きな“猫だるま”が描かれて、その遊びごころに、思わずニヤリとしてしまいました。
飼い主と戯れる仕草が可愛い猫から、有名な踊る猫叉、おどろおどろしい化け猫まで。作品の中の猫を探しながらの鑑賞も楽しいものです。
楽しいといえば、役者絵や美人画を得意とした国貞。彼が描く美人画の中には、着物や髪飾りなどのファッションやメイク道具、化粧法まで、当時の流行が描かれており、それが今にも通じる色合わせなどで、とても勉強になりました。「今様江戸女子姿」「当世艶姿考」は女子必見です。
限定グッズもいろいろありましたが、今回は、髑髏が描かれた日本手ぬぐいをゲット。
そして、つい夢中になってしまったのが、会場限定のガチャガチャです。「国芳国貞マグネット」(1回200円・全12種類)と、「歌川国芳根付」(1回400円・全3種類)の2アイテムがありました。
国芳作品に出て来る「踊る猫叉」の根付が欲しくて3回もガチャガチャをしてしまいました。最初が「猫骸骨」、次も「猫髑髏」、そして3度目の正直でようやく「踊る猫叉」は出てきて、ホッ。
国芳・国貞の作品が、170年の時を超え、日本が誇るアニメや漫画文化、“カワイイ”にも通じているということがわかった楽しい展覧会でした。
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