建仁寺、そして、はんなりとした「千枚漬」を訪ねて。
No. 38
降り積もった雪の解けだした京都市内。真っ青な空に佇む建仁寺。
ちょっとおしゃれをして、本日お出かけするのは、京都最古の禅寺・建仁寺の塔頭(たっちゅう)(※)寺院、両足院。こちらで開催中の冬の特別公開(〜1月29日まで)、そして京都の冬のお漬け物を探しに木屋町へ。
両足院は、龍山徳見(りゅうざんとっけん)禅師を開山とする臨済宗建仁寺派の塔頭寺院。例年初夏と冬に特別公開が行われます。
京都府の名勝庭園に指定される池泉回遊式庭園。鶴と亀に見立てた池と小山を有する庭園の北側には「水月亭」「臨池亭」の2軒の茶室があります。
庭園が望める大書院には、伊藤若冲の掛け軸が飾られています。
方丈と大書院、それぞれに解説をしてくださる案内の方がおり、パンフレットに書かれていないエピソードや、襖絵などの詳しい説明をしてくださいました。
「こちらの部分が特に珍しい〜」「こちらが初めて日本に渡来した饅頭の〜」「掛け軸の中の水仙は見つけられましたか?」などなど。初心者にはなるほど、が沢山。
次回の公開は初夏。半夏生が美しい季節です。暖かくなったらまた訪れたい、素敵な空間です。
さて、両足院から西へ。鴨川を渡り、お散歩しながらやって参りましたのは下京区木屋町。四条を下がったところにありますお漬物屋さん「村上重(むらかみじゅう)本店」へ。
細い路地の入り組む木屋町周辺には沢山のお店がひしめき合っています。ちょうどお店の近くで、先日お座敷でお話させていただいた舞妓さんとばったり。お稽古とお買い物帰りだそう。日本髪にお着物、路地を歩く姿が絵になります。
180年の歴史のある漬物屋。本来杉玉は日本酒の造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊しますが、こちらのお店では、初代村上重右衛門が醤油、味噌、などの製造販売を営んでいた名残りとして 店の玄関飾りとして使用しているそう。
漬物の歴史は相当古く、古来より日本人にはなくてはならないものでした。
漬物のルーツは明らかになっていませんが、一説によると、3千年~4千年前、まだ野菜もない頃、芹やワラビなどの山菜を海水で漬けたのがはじまりともいわれています。
そして、昔から京都は気候性により食べ物の保存技術が発達していました。その保存技術を大いに活用したのが京漬物だそうです。
どれにしようか迷ってしまうほど沢山の種類。もちろんお目当ては、この季節しか食べられない「千枚漬」です。
入口の横で千枚漬を樽から出す作業をしているお兄さんに、見せていただきました。
千枚漬は、京都の伝統野菜である「聖護院かぶら」を使用し、これを薄く削り、昆布と赤唐辛子、酢で漬けます。
約140年前、御所の大膳寮で料理方をつとめていた大藤藤三郎の発案。ある漬物屋のかぶらの漬物に、改良を加えたものが、千枚漬の始まりだそう。
その名称は、かぶらを薄く削ったところから「千枚にも削ったのでは」と言われたことに由来します。
白く美しいかぶら。お皿の色が透けて見えるほどの薄さです。はんなり(明るくて上品)という言葉が似合いますね。
本日のセレクトは千枚漬、すぐき、しば漬け。お漬物は一度にいろんなお野菜を頂ける日常の楽しみですね。
皆さんもいろいろな漬物を楽しんでみてはいかがでしょうか。食卓の彩りも華やかに、ご飯が美味しくなりますよ。
<ご案内>
村上重本店
京都市下京区西木屋町四条下る船頭町190
075-351-1737
(営業時間等ご確認下さい)
(※)塔頭(たっちゅう)…寺の中の寺のことですが、「塔」とは「お墓」のこと。元来は高僧の墓のことで、弟子が近くに小庵を建てて、師の塔(墓塔)を守っていました。
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