沙羅双樹の寺、東林院の『小豆粥で初春を祝う会』。
No. 86
京都のお正月は、たくさん行事があります。本日は、その一つ『小豆粥で初春を祝う会』(1月15日〜31日まで)が開催されている、妙心寺の東林院へお出かけしましょう。
右京区にある妙心寺。その塔頭(たっちゅう)の一つ「東林院」は沙羅双樹の寺としても有名です。
初めて入った妙心寺の敷地の広さにびっくり!どこまでも続く漆喰の壁と石畳の道…。東林院へたどり着くまでに、江戸時代にタイムスリップしてしまったような感覚になってしまいました。
ひっそりと佇む東林院は普段は入る事が出来ません。
中へ入ると、ご年配のご夫婦が1組、若い女性がお一人いらっしゃいました。精進料理の一つとしていただく小豆粥は、3,800円。名前をお伝えし、庭の見える和室へ。
庭を眺め待っていると、坊主頭に作務衣姿の若い男性がお菓子のお盆と梅湯を運んできて下さいました。なにやら、『福茶と祝菓子のいわれ』が書かれた紙が被せてあります。
福茶は、「若水(元旦に初めて汲む水)」で点てた茶に梅干、昆布、山椒などを入れて、家族全員で頂くと一年中の邪気を払い万病を除くと云い伝えられているそう。
また、禅寺では、和合のため一堂に会して茶菓を頂く礼式を茶礼というそうです。
●梅湯
梅干に白湯をそそいだもの。
口中の汚れを清め、心身の邪気を払うと共に保健のために最もよいと云われているそうで、甘酢っぱくて美味しく感じました。
こちらが祝菓子です。まず先にお菓子をいただくのですね。
●松の雪
主菓子、小倉あん、小豆きんとん製。
●結び笹
干菓子、和三盆製、松と共に縁起ものです。
●昆布
古くは「ヒロメ」と呼ばれ広布と書く、広くなるという意で現代の喜びに通ずるもの。
●柿
嘉来に通じ万物をかき集めるという目出度い意。
●豆
厄払いの意と共にマメである事を感謝(祝)し、健康に暮らせるようにの意味。
●くわい
良い芽が出ますようにとの願い。
●みかん
(橙)代々つづき栄えるの意。
祝菓子をいただき、みかんを食べてお口の中もサッパリしたところで、係の方に名前を呼ばれ、建物の奥の別室へ。
丁度同じタイミングでお菓子を食べ終えた女性の方もいらっしゃったので、2人で案内されました。途中の廻廊には水琴窟や面白い謂れのある立派な松の木も。写真は、花の少ない冬に綺麗な赤い実をつける縁起ものの千両です。
奥のお座敷はお庭に面しており、20人程が入れるようになっています。
運ばれてきました!とっても美味しそうな小豆粥。
まずいただく前に『さばの儀式』です。自分の受けた食の中から少量のさば(生飯)を分かち、庭の木々などにそなえ、小鳥や小動物に施すという儀式。
「さば器」に米粒七ツ程を分かちます。
小豆粥は桜粥、餅粥ともいい、七草粥と同じように新年に食すると一年中の邪気を払い万病を除くと、平安の昔から伝えられている新春の優雅な風習だそう。
噛む程に甘みを感じ、小豆の食感も柔らかく幸せなお粥です。
大根とお揚げの煮物。しっかりとしみたお味はたまりません。
青菜の和えもの、昆布の揚げたもの、黒豆、ひじき、お漬物。
静かな空間で、ゆっくりと素材の味を噛み締めて頂くと心も身体も喜んでいると感じられます。そして一年健康で過ごせますようにとの願いを込めてお腹いっぱい頂きました!
お庭の生飯です。私の米粒も明日お供えされるのかしら。
皆さんも一年を通して健康でありますように。禅寺で精進料理はいかがでしょうか。
<ご案内>
東林院
京都市右京区花園妙心寺町59
075-463-1334
土日祝に「精進ランチ」有り(要予約)。
詳しくはお問合せ下さい。
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