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現代アートがお出迎え。美の感性を磨く伊勢志摩のホテル

No. 119

 三重県東南部に位置する伊勢志摩地方。
 このエリアには伊勢神宮をはじめとする歴史あるが点在し、リアス式海岸が作り出す絶景や飼育種類では日本一の規模を誇る鳥羽水族館、スペイン村などのテーマパークなど、見どころがたくさん存在します。また、「G7伊勢志摩サミット」(2016年)の開催地として注目を集めたことは、記憶に新しいのではないでしょうか。

 古くからハネムーンで伊勢志摩地方を訪れるカップルも少なくなかったそうですが、とくにサミット開催以降は風光明媚なこの地を旅先に選ぶ人々が増えたようです。今回は太平洋を一望できる絶景のなかに佇む「タラサ志摩ホテル&リゾート」に出かけてみました。

 JR鳥羽駅から車で約25分。森と海に囲まれたホテルのロビーに入ると、メタリックな赤色のオブジェが目に飛び込んできました。これはハイブランドとのコラボーレーションやアメリカの週刊誌『TIME』で2016年の「世界に最も影響を与える100人」に選ばれたことでも知られるアーティスト・草間弥生の「レペティティブ・ヴィジョンーファルス・ボート」。この作品に見られる丸い突起物は草間彌生がしばしばモチーフに使っているものです。

草間彌生ボート

 実はタラサ志摩ホテル&リゾートには、34作品ものアートが展示されています。
前述の草間彌生をはじめ、奈良美智、村上隆、アンディ・ウォーホルなど、世界中から愛されている人気アーティストの作品は、とくにコンテンポラリーアートを好む人たちにはたまらないはず。

 レセプション付近には奈良美智が描いた、猫目でシニカルな表情をした少女が。
「猫目少女=奈良美智」といえるほど、代表的な奈良作品ですが、オリジナルを見る機会はなかなかないのでは。この作品はホテルの雰囲気にしっかり溶けこんでいました。

奈良美智作品

 ロビーをはじめ、階段付近やレストスペース、中庭など、ホテルのあちこちに平面、立体の作品が展示され、館内はまるで美術館のようです。

館内アート

 館外を出てお散歩へ。まずはホテルの中庭を通り抜け、浜辺へ。白砂が美しいビーチは潮風が鼻をくすぐり、打ち寄せる波の音が、気持ちをリラックスさせるよう。

ビーチ

 中庭の脇には美しいチャペルも。海を借景にしたウエディングはきっとロマンチックでしょうね。

チャペル

 ホテル専用の遊歩道は20分コースと40分コースの2つが用意されています。どちらも山道で坂をのぼるので、ヒールやビーチサンダルは不向きかも。訪れた時はちょうどヤマモモが実をつける季節で、木にも地面にもいたるところで赤い実を見つけました。ホテルを取り囲む広大な自然もまたアートといえます。

遊歩道

 そしてこのホテルは全室オーシャンビュー。シンプルで使い勝手のよい室内にも小さなアートが飾られています。

ホテル室内

 さて、アート作品の展示と並んで関心を集めているのが、ホテル内の専用施設で体験できるタラソテラピー(海洋療法)。実はタラソテラピーを日本で導入したのがこちらのホテルなのです。海水プールでのエクササイズやマッサージも取り入れたボディトリートメントなどを目当てに訪れる人も多いとか。伊勢湾の沖合い720m、水深12mの海から海水を汲み上げて濾過し、人肌に近い温度まで温めてプールやジャグジーに使用しています。

 塩分の濃度が高いプールでは海水の浮力で体がプカリと浮くという面白い体験もできます。そしてプールから出た後はお肌がスベスベに! 海水は温めることで、そのベタつきがほとんどなくなるようです。

 アート鑑賞、タラソテラピーを体験した後は館内のレストラン「ルミエール」へ。
入り口付近にはアメリカで活躍した韓国人アーティストであり「ビデオアートの父」と称されるナム・ジュン・パイクの「Roland Barthes Symphony」が展示されていました。

ナム・ジュン・パイク作品

 このレストランもまた、オーシャンビューの席が設けられ、中庭の向こうに海が眺められます。朝食は地元の食材を豊富に取り入れた和洋の料理がブッフェスタイルで楽しめますよ。

レストラン朝食

 ここでは、伊勢志摩の浜で採れた海藻類を使ったメニューもたくさん。名産のアオサをたっぷり練りこんで焼かれたフランスパンのほか、スーパー海藻といわれる「アカモク」の酢和えや地元の天草で作られた寒天なども。ちなみに、このあたりでは寒天に黒蜜ときな粉をかけて食べるそうです。ホッと一息つけるような磯の香りとつるりとした軽やかな食感に癒されました。

寒天

 食後はラグジュアリーなソファが配されているフリースペース「ラ・ソアレ」へ。 ここにはマルク・シャガールの「Bestiaire et Musique」が飾られています。

シャガール作品

 そして、中庭に出て草間彌生の代表作「南瓜」を鑑賞。中庭の一角にはオープンエアのカフェもあるので、このオブジェを眺めながらゆっくりお茶をいただけます。この南瓜のオブジェは大人気で、一緒にカメラに収まる人の多いこと!

草間彌生の南瓜作品

 タラサ志摩ホテル&リゾートでは、宿泊をしなくてもお食事やタラソテラピーを体験できるプランも用意されているようです。伊勢志摩を訪れる機会がありましたら、心身の美的感性を養えるこのホテルに足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

〈ご案内〉
タラサ志摩 ホテル&リゾート
三重県鳥羽市浦村町白浜1826-1
0599-32-6060
※ホテルのプラン詳細などはお問い合わせください。

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