長野を代表する観光スポット・善光寺と門前町を散策

「牛に引かれて善光寺参り」で知られる長野市の善光寺は、年間約600万もの人々が訪れます。
日本最古の仏像と言われる「一光三尊阿弥陀如来」を本尊とするこのお寺は、参拝者の宗派を問わず、一度参拝すれば誰でも極楽浄土に行ける…というありがたい言い伝えがあります。今回は長野を代表する観光スポットである善光寺と門前町周辺を散策してみましょう。

北陸新幹線が開通したことで首都圏からアクセスがよくなった長野。
JR長野駅に近い大門町から善光寺までの通りは門前町といわれ、ホテルやカフェ、さまざまな業態の飲食店、お土産物屋などが点在し、地元の人と観光客で賑わっています。

「パティオ大門 蔵楽庭（くらにわ）」は、門前町の一角にある飲食店や雑貨屋が集合した複合施設。庭をぐるりと囲むように蔵が並び、雰囲気の良いイタリアンや和食のレストラン、カフェなどがあります。人の往来が多い表通りから中庭に入ると静けさに包まれ、心癒やされる作りが魅力的。

参道を歩き、まずは善光寺の仲見世通りに続く仁王門を目指します。


仁王門の前は石畳の参道となっています。
威風堂々とした仁王門では、二体の巨大な仁王様がお出迎え。これは詩人の高村光太郎の父である彫刻家・高村光雲と米原雲海の合作で、頭から足の爪先までスキのない造形に見入ってしまいます。


全国いたるところで仁王像は見られますが、個人的に善光寺のこの仁王像は迫力、美しさとも別格。特に足元の意匠は見るたびに吸い込まれ、いつまでも鑑賞したくなるほどの求心力を感じます。


この仁王門から山門までは仲見世通りで、お土産物屋さんなどが所狭しと並んでいます。


善光寺本堂は総檜皮（ひわだ）葺きの屋根をもつ、間口約２４m、奥行き約５４m、高さ約２９mという木造建築。何度も火災に遭っている本堂ですが、現在の建造物は宝永四（１７０７）年に再建され、国宝に指定されています。

Ｔ字型の棟の形は鐘を叩く撞木（しゅもく）に似ているので、この建築様式は「撞木造り」といわれています。本堂の左奥に位置する瑠璃壇には御本尊である一光三尊阿弥陀如来が祀られています。とはいえ、御本尊を拝観できるのは7年に1 度のご開帳の時だけ。この時は全国から秘仏を拝みにやってくる人々であふれます。


本堂の脇では1998年に開催された長野オリンピックの開会を告げたことでも知られる鐘が配されています。
お寺の方によると、この鐘を鳴らすことが出来るのは限られたお坊さんだけだそう。タイミングが合えば、心が洗われるような荘厳な鐘の音に耳をすませましょう。


歴史ある善光寺を後にして、散策したのは門前町から脇道に入ったエリア。
実は門前町のあちこちでは空き家のリノベーションを行い、再利用するプロジェクト「長野・門前暮らしのすすめ」が2009年から推進されています。この活動は全国に知られ、今では各地から地域おこしの参考にと、イベントやワークショップ、空き家見学会に参加する人たちが集まっているそう。

ここはもともとビニール工場だったというカネマツという建物。
古い工場だった建造物をリノベートし、レトロ感たっぷり。
カフェや書店、オフィスが入居しています。



カネマツの近くにはやはり古民家をリノベートした店舗がいくつかあり、なかには「鯉焼き」のお店も。この時はあんことともに長野産のぶどう「ナガノパープル」を包んだ鯉焼きをいただきましたよ。


古さと新しさが同居した、古民家や工場のリノベーションを見学したら、善光寺参道に戻って、信州グルメを楽しみましょう。

長野を訪れたらぜひ食べたいのが、郷土食の「おやき」。
おやきとは野菜やあんこなどの具材を生地で包み、蒸したり、焼いたりしたものです。
参道沿いではあちこちでこのおやきを販売しているので、食べ歩きをする人も少なくありません。


おやきはおやつの代わりに食べられることも多く、地元の人は自分の好きなものを包みます。私は旬の茄子を包んだおやきを食べましたが、定番は野沢菜、あんこ、かぼちゃ、きのこ、切り干し大根など。また、そば粉を混ぜたそばおやきもあります。

善光寺にお参りする時は、お寺周辺の魅力的なスポットを訪れ、食べ歩きできる信州グルメも楽しんではいかがでしょうか。

ご案内
パティオ大門 蔵楽庭
長野市大字長野大門町54
TEL 026-238-1717　

善光寺
長野市長野元善町491
TEL 026-234-3591

カネマツ
長野市長野東町207-1KANEMATSU

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