ファンキーなムードいっぱいの南池袋公園へ

東京には平日休日問わず、多くの人でにぎわう公園がいくつかあります。
豊島区池袋にある「南池袋公園」は他の公園とは一線を画すおしゃれで陽気な空気にあふれ、どの時間帯も幅広い年齢層の人たちでにぎわっています。

今回は、南池袋公園の魅力を探りに出かけましょう。

池袋駅東口から徒歩約５分。南池袋公園は高層ビル群の谷間に突如あらわれます。なんともトリッキーな存在感。初めて訪れた時、まさかここに公園が？と目を見開いてボーゼンと立ち尽くしてしまいました。私にとって、この公園は「池袋におけるサプライズ」でした。

南池袋公園の最初の開園は1951年。戦災で焼け野原になった土地に区画整理事業で誕生しました。
現在の姿に生まれ変わったのは2016年。以前の公園の姿を知っている人に言わせると「都会にありながらも薄暗く、長い時間過ごすなんて考えられない雰囲気」だったそう。

公園を一新させたプロデューサーは豊島区が委託したランドスケープ・プラス（文京区）。公園の果たす役割を追求し、人々が集まり、憩う場を作りました。やがて、地域創生にヒントを見出そうと、日本各地から人々が視察にやって来るほどに。2017年には「地域・コミュニティづくり/社会貢献活動」の部門においてグッドデザイン賞も受賞しています。

桜の木の下に設置した階段状のウッドデッキ「サクラテラス」をはじめ、小山のすべり台やシーソー、回転遊具のあるキッズスペースなども。そして1年を通じて楽しめる花や豊かな緑が心を潤します。

公園には芝生が敷かれ、親子、カップル、友人同志が風を感じながらのんびり過ごしています。なかにはレジャーシート持参で寝そべって空を見上げている人も。遠くから見ると、その姿は音楽フェスの会場にやって来たかのようです。

ここが都心であることをすっかり忘れてしまうほど、解放感たっぷりの南池袋公園に魅力をそえる要素の1つが芝生。

芝生を敷くと、光の照り返しを防ぎ、アスファルトのような強さを感じるまぶしさがありません。さらに二酸化炭素の吸収や酸素を供給し、大気を浄化させる役目もあります。
また、芝生で運動すると、運動後の疲労した体の回復も早く、持続性も高まるという実験結果もあるそうですよ。

公園内のカフェレストランにも入ってみましょう。

大箱のお店は「ラシーヌ ファーム トゥー パーク（RACINES FARM TO PARK）」。池袋で人気のビストロ「ラシーヌ」の姉妹店です。

お店は先に注文とお会計を済ませるセルフ方式。トレーを持ってオーダーしたものを受け取ります。地方の農家さんから届く旬の野菜や果物を使ったメニューを待つ時からハッピーな気分。

貸出用のラグを借りて芝生で過ごすのもOKです。

2階建てのオープンテラスのあるカフェは内部も公園と一体化し開放感たっぷり。公園に面したゾーンには吹き抜けがあり、大きなガラス窓から入ってくる自然光とともに気持ちの良い空間を作っています。

2階に上がると大きな本棚に圧倒されます。併設の「the parkside books」は、ブックセレクターによる「公園を楽しむための本」が並んでいます。

こんな本を見つけました。このカフェではオリジナルのクラフトビールも飲めるんですよ。

テーブルやベンチ、カウンターなど、バリエーションのある席では、PCでお仕事をしている人、学生仲間、カップル、子供連れなど、訪れる人もさまざま。電源を使える席もあるし、wifiも使えます。

なお、このカフェは東日本大震災の経験から「防災拠点」としての機能も持ち、帰宅困難者に炊き出し支援を行い、食糧や水、毛布をストックした備蓄倉庫や災害時用のマンホールトイレを備えています。

カフェの外にフクロウの絵が描かれたポストを発見！

夕暮れになると、オープンテラスにあかりがともり、その柿色の光が黄昏を誘います。

夜になると、会社帰りにテラスや芝生に座ってビールを飲む人たちの姿も。とくに男性グループがあちこちで飲みニュケーションを展開していると、公園が普段使いされているようで、なんだかうれしくなります。

園内にはソメイヨシノも植えられ、春にはお花見スポットにもなります。桜の近くに配されたウッドデッキが特等席になります。

来年はここでお花見なんて、いかがですか。

＜ご案内＞
南池袋公園
東京都 豊島区 南池袋2-21-1

RACINES FARM TO PARK（ラシーヌ ファーム トゥー パーク）
TEL　050-3467-0910
https://racines-park.com/

-秋