古くからの学生街「御茶ノ水」で老舗の洋食に出会う！

東京の代表的な学生街といえば「御茶ノ水」。
このあたりには大学、専門学校、予備校などが100校近く集まっているそうです。

学生街ということは学問の街でもありますね。
御茶ノ水の学問の歴史は江戸中期にさかのぼります。神田明神にほど近い場所に、林羅山が儒学の学び場として「湯島聖堂」を建てたことに端を発します。

この湯島聖堂から神田駿河台に建つ「ニコライ堂」を結ぶのが「聖橋（ひじりばし）」。

聖橋を湯島聖堂側から歩くと、向こうに小さくニコライ堂のドームが見えます。

往来する人の多い聖橋は御茶ノ水のランドマークの１つ。神田川に架かり、1927（昭和2）年に関東大震災後の復興事業として架けられました。全長79.3m。現在（2022年2月）、御茶ノ水駅の大規模な改良工事中で、秋葉原側からは橋の向こうに工事現場の風景が広がっていますが、アーチを描いたモダンなデザインの橋は架けられた当時は東京屈指の名所として、見物客を集めたそうです。

この橋の設計を手がけたのは建築家の山田守で、彼は日本武道館や京都タワーのほか、隅田川に架かる永代橋のデザインにも関わっています。

聖橋の欄干に近い場所には不思議な木がたっています。

それは椋の木。幹には「元宮」と書かれた木札が掛けられています。
元宮とはこの近くに鎮座する太田稲荷神社のことで、徳川家康の時代にこの場所に移転し、総武線の開通工事で現在の場所に再び移転したようです。
木には「風邪咳封御守り」の入れ物もくくりつけられていました。きっと太田姫稲荷神社の御神木だったのしょう。ひっそりと立ち、知る人ぞ知る存在ですが、古くから人々の思いが宿っているような気がしました。

この木から横断歩道を渡り、エスカレーターで下ると見えるのが、ソラシティにある「お茶ナビゲート」。ここはお茶の水とその周辺エリアをナビゲートする 「情報の泉」として、2013年にオープンした施設です。

ここでは御茶ノ水の歴史や見どころの紹介、オリジナルの散歩地図を作ることもできます。

奥には御茶ノ水に関する本もたくさん集まっています。
古い地図と古い写真も閲覧できるシステムも備わり、御茶ノ水の歴史を知るにはもってこいのスポットです。

さて、JR御茶ノ水駅から徒歩１分もかからない場所にある「キッチンカロリー駅前店」は昭和29年に創業された老舗レストラン。

牛のイラストが描かれた赤い看板が目印です。

通り過ごしてしまいそうなビルの2階にあるお店には狭い階段を上がっていきます。この階段こそ、別世界への入り口！
上った先に広がるのは小さく、細長い店内。まるで秘密基地のよう。壁に向かってカウンターがあり、突き当たりの窓からは神田川が見えます。

お店の名物は「カロリー焼き」。券売機で購入します。
カロリー焼とは牛バラ肉と玉ねぎの炒め物。その下にはスパゲティがしかれ、ボリューム満点のメニュー。アツアツの鉄板の上でジュウジュウと音を立てながら目の前にやってきました。

ワインとガーリック醤油で味付けられた牛バラ肉と玉ねぎは、ライスをどんどん食べ進ませる、ダイエッターにはキケンな料理ですが、一口食べるとそんなことはどうでもよくなります（笑）。スパゲッティも肉汁を吸い込んで幸せなお味(^^♪

カロリーは古くから学生街の洋食屋さん的な存在。
とくに育ち盛りの男子学生はこのカロリー焼きと大盛のライスでお腹を満たしてきたのではないでしょうか。

カロリーのある界隈には古くからのお店が集まっています。1955年から営業している山小屋のような喫茶「穂高」もその１つ。

このお店の特等席は神田川に面した窓側のテーブルです。窓越しに樹々の緑、川が眺められ、駅周辺の雑踏が嘘のような静かな時間が過ごせます。私のおすすめは冬の時期にだけメニューに並ぶホットドリンク「みかんえーど」。お店でしぼった柑橘果汁が濃厚です。ぜひ味わってください。

今回は学生街の老舗の洋食屋さんを訪ねましたが、御茶ノ水にはまだまだ紹介したいスポットがあります。またご紹介しますね。

＜ご案内＞
お茶ナビゲート
東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティB1F
http://ocha-navi.solacity.jp/index.html

キッチンカロリー お茶の水駅前店
東京都千代田区神田駿河台4-5 ２F
TEL 03-3295-0803

喫茶 穂高
東京都千代田区神田駿河台4丁目5-3 御茶ノ水穂高ビル1F
TEL 03-3292-9654

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