由緒と斬新がおりなす「高島屋史料館TOKYO」へ
No. 373
東京には歴史ある百貨店がいくつか存在します。
1831年に京都で産声を上げ、昭和初期に東京進出を果たした「日本橋高島屋」もその1つで、2023年は開店90周年を迎えます。
この建物は1933年に日本生命館として建設され、メインテナントとして高島屋が入店。
戦前は西洋建築に和風の要素を取り入れた重厚な建築として目を引き、戦災を免れた戦後は「日生劇場」や「世界平和記念聖堂」などの設計を手がけた村野藤吾が増築を重ねました。
日本の建築史に残る貴重な意匠を施した建造物といえます。
今回は日本橋高島屋の史料館で開催中の企画展を見るために訪れましたが、館内に足を一歩踏み入れると、とても素敵なモノや仕掛けがたくさんあることに驚きました。
中央通りに面した、正面入り口から紹介していきましょう。
玄関にさりげなく置かれているのは大理石製の天使像。
実は館内には天使たちがここを含めて4か所設置されていますよ。
ぜひ、探してみてください。
こちらは高島屋のキャラクター「ローズちゃん」。
高島屋といえば、バラの包装紙が有名ですよね。そのバラから名前をとったローズちゃんは1959年のクリスマスプロモーションとして誕生したマスコット人形「ハッピーちゃん」が前身で、やがて制服姿のローズちゃんとして親しまれるようになりました。
4階に上がり、お目当ての「高島屋史料館TOKYO」へ。
婦人服売り場の横にある史料館は「美しいくらしスタイル」の発信をするべく、日本橋地域における文化発信拠点として2019年に開館。
現在、企画展「モールの想像力―ショッピングモールはユートピアだ」を2023年8月27日(日)まで開催しています。(入館無料)
こぢんまりとした展示室にはモールについて書かれたボリュームのあるテキストをはじめ、モールに関連する、さまざまなアートが展示されています。
由緒ある日本橋高島屋で開催される展覧会にしてはかなりエッジの効いた、実験的な展示スタイル。百貨店のライバルでもあるショッピングモールをテーマに取り上げるなんて!
この展覧会を監修されたのはフォトグラファー・ライターの大山顕さん。
個人的には世界にあるショッピングモールの写真やモールを連想させる小説の引用などが楽しめました。
発砲スチロールのトロ箱を使った作品はアーティスト・座二郎さんの手によるもの。
※展示物の写真撮影は可能なものとそうでないものがあります。
史料館を後に向かったのは「喫茶 薔薇窓」。
高島屋らしいネーミングのお店は階段の踊り場という、ちょっとわかりにくいものの穴場感のある場所に佇んでいます。
人の気配があまりしない階段にひっそりとあるお店。
この雰囲気、ちょっとワクワクしませんか?
お店ではイチゴのショートケーキでコーヒーブレイク。
常連と思しきお客様がサンドイッチはケーキとともにショッピング途中の休憩を楽しまれていました。
壁一面を占めるカップ&ソーサーが圧巻で、歴史ある高島屋の風格と重なります。
薔薇窓で休憩した後は屋上へ。
こちらは「七福殿」。
高島屋発祥の地である京都にある寺社からお迎えした七福神が祀られています。
七角形という変わっためったに見られない造形のお堂が珍しいですよね。
また、百貨店の屋上には神社がありますが、高島屋にも「笠森稲荷」が祀られていました。
そしてバラの包装紙の高島屋らしく「ローズガーデン」も整備されています。
訪れた時は4月でバラが咲き始めた頃。
「レッド レオナルドダビンチ」という種類のバラが顔を見せていました。
満開のバラの時期になると人気撮影スポットになるらしいガーデン。
この日も近所のオフィスに勤めている方がお昼休憩を利用して咲き始めたバラの写真をスマホで撮影されていましたよ。
ちなみに高島屋のシンボルであるバラは1950年代に「美の象徴として愛されるバラの花を高島屋の花とする」ことで採用されたそうです。
ところで、今年で90周年というアニバーサリーイヤーを迎える日本橋高島屋の館内では「90」の文字が色々な場所で発見できます。
ローズちゃんの横にも「90」をかたどった水引きのオブジェが。
これは水引職人であるクリエイターであるmicono氏によるもの。素敵ですね。
正面ホールも含め、戦災を免れた館内には素敵な仕掛けがいっぱいです。
ぜひ、史料館の鑑賞とともに楽しんではいかがでしょうか。
<ご案内>
日本橋高島屋史料館 TOKYO
東京都中央区日本橋2-4-1
日本橋高島屋4F 展示室
03-3211-4111(代表)
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/
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