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建築とアートの融合。瀬戸内の名建築「下瀬美術館」

No. 429

水面に浮かぶキューブ状のカラフルな建物。
キューブ外観

写真を初めて見た時、まさかそれが美術館だとは思いもしませんでした。

瀬戸内海に面した広島県大竹市の海辺に佇む下瀬(しもせ)美術館。
入口

この美術館を設計したのは建築家の坂茂(ばん しげる)さん。
坂さんといえば、紙管を活かした建築で知られていますが、この美術館ではカラフルなガラス張りの可動式展示室を設計しました。
キューブ別角度

前述した水面に浮かぶ建物がそれで、瀬戸内の風景と一体化するような美しいデザインは2024年にユネスコ「世界で最も美しい美術館」最優秀賞の「ベルサイユ賞」を受賞しています。

美術館のエントランスに足を踏み入れると、木のアンブレラを思わせる柱と高い天井がダイナミックな空間を作り上げ、圧巻!
エントランス

ここにはカフェやミュージアムショップが併設され、白と茶を基調にした開放的な空間は別世界にトリップしたかのようです。

展示室には期間限定の企画展と下瀬美術館の所蔵作品が並びます。
訪れた時は「四谷シモンと金子國義 —— あどけない誘惑」展が開催されていました。
四谷シモンは人形、故金子國義は絵画。
四谷シモン

金子國義

おふたりとも「少年」や「少女」をモチーフにした耽美的な作品を多く発表されていますが、この展覧会ではともに初期の作品が目立っていたように思います。

特別展の会場を後に、レストスペースの目の前に現れるのは水面に浮かぶカラフルな可動式の展示室。
レストスペース

ユニークな建物を眺めながら、坂さんによる紙管で作られたチェアで休むこともできます。
個人的に下瀬美術館のコンセプト「アートの中でアートを観る」を実感する場所でした。

パステルカラーのキャラメルの包みを思わせるカラフルな8つの展示室は10×10メートルで統一。
キューブ状の展示室

広島の造船技術が活用され、水の浮力で動く仕組みとなっています。
陽の光が水面に反射すると時折ゆらめくような陰影があらわれます。

可動式展示室では収蔵作品が鑑賞できます。
収蔵作品

この美術館の設計者である坂茂さんが手がけた作品を紹介するコーナーをはじめ、ピカソの版画やエミール・ガレのガラス工芸、香月泰男など。
香月泰男

個人的に香月泰男の作品を鑑賞できたことが嬉しかったです。

さて、下瀬美術館の魅力をさらに引き立てるのが、敷地内にあるフレンチレストラン。
実は美術館を訪れた目的の1つがレストランでのランチでした。
レストランは展示室のある建物ではなく、別棟に設けられています。
外観
メニューには広島県や近隣の地域から取り寄せた新鮮な食材を用いた料理が並びます。
私と友人は前もってプリフィクススタイルのランチコースを予約。
メニューは季節や食材によって変わるようです。

まずはこちらのアペタイザーから始まりました。
アペタイザー

スープをいただいた後はオードブルに。私は蟹の身がぎっしり入ったアスピック(ゼリー寄せ)をチョイス。
アスピック

メインには牛肉のグリルを選びました。
メイン

デザートはお口直しの小さなポーションのものと、ケーキとアイスクリームのコンビネーションのものをいただきました。
デザート
ダイニング空間にゆったりと配置されたテーブル席からは瀬戸内海が望め、美しい景色もご馳走だし、お店の方たちが立ち働く姿が見える広々としたオープンキッチンも風景の一部。
テーブルから

ここは「五感が動く場所」というのでしょうか。
自分のなかにある感じるセンサーが新品になったよう気がしました。

下瀬美術館は建築と自然、芸術と時間が調和する場。
美術館に隣接する小高い丘に上がると「望洋テラス」が設けられ、瀬戸内沿岸の風景が望めます。
坂道が見えるガラスの壁

瀬戸内の風景
百聞は一見に如かずで、やはりネットで写真を見るのと現場に行くのでは、感じる力が大きく異なるように思います。
外からの可動式展示室)
下瀬美術館は少し早足になるかもしれませんが、厳島神社と組み合わせて行くことも可能です。
ぜひ、美しい美術館の空間と一体となる体験をしてはいかがでしょうか。
美術館イメージ
<ご案内>
下瀬美術館
広島県大竹市晴海2丁目10-50
0827-94-4000
https://artsimose.jp/museum/

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