
伝統と斬新の粋!東京・原宿で開催中のロエベ展へ
No. 431
長い冬が終わり、桜や春のお花が顔を見せ始め、お出かけが楽しい季節になりました。
今回は東京・原宿で5月11日まで開催中の展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界」を訪れました。
スペイン発のラグジュアリーなレザーブランド「LOEWE(ロエベ)」の伝統と最先端が響き合うこの展覧会。
山手線の線路を挟んだ向かい側に建つ外観からして、ワクワクさせてくれます。
1846年、マドリードの職人たちが設立した小さな革工房から始まったロエベ。
ブランド名はドイツの皮革職人であるエンリケ・ロエベ・ロスバーグに由来。ロスバーグ氏がスペインの革職人の技術や革の品質に感銘を受けたことからブランドは産声を上げました。
会場の入り口は電光掲示板のようにピンクの文字が流れ、まるでクラブに足を踏み入れたかのよう。
これからダンスフロアに向かうようなムードがたなびいています。
この展覧会は7つのゾーンで構成され、さまざまな角度からロエベの魅力に迫ります。空間構成を手掛けたのはオランダ出身の建築家レム・コールハースらによって1975年に設立された建築設計事務所「OMA」。建築好きの人にとってもたまらない展覧会となっています。
ちなみにOMAは「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」も設計しています。
こちらは「手から生まれたもの」ゾーン。
ブランドの歴史、創業時のレザーアイテムやVIPのサイン帳などが展示されています。
赤色が目を引く女性用レザーコートは1970年代に発表されたナパラムレザーを用いて制作されたもの。
アンセア・ハミルトンによる巨大なカボチャのスカルプチャやビヨンセがコンサートツアーで着用したボディスーツのレプリカも展示されていましたよ。
私がシンパシーを感じたアイテムがこちら。
コロナが世界中で流行していた頃、ロエベでは来店できない顧客にこちらのギフトを送ったそうです。
「スペインにようこそ」というコーナーではスペイン生まれの巨匠ピカソの作品やテラコッタタイル、南スペインのビーチや地中海など、スペインの風景とロエベの製品を組み合わせた展示が楽しめます。
さて、ロエベといえばやはり最高級のレザー。
こちらのアトリエでは大きくてカラフルなレザーがズラリと並び、圧巻!
どれも手にとることができます。
一度触ると手放したくないほどやわらかくて、光沢が品を感じさせる美しいレザーの数々。継ぎ目もほぼなく、高品質の革であることが一目瞭然です。
また、レザー製品の摩擦検査や耐久をチェックする屈曲検査の様子などを見ることができました。
何世代も使い続けるためにこのような検査が必須という、ハイブランドならではの姿勢を感じます。
こちらは展覧会のビジュアルにもなっている職人の収納ツールボックス。
通称「ラ・フロール」(花)。
工具をすぐに取り出せるように作られたボックスですが、機能とオシャレさを兼ね備えていますよね。
ロエベは「スタジオジブリ」ともコラボしています。
会場では巨大な「ハウルの動く城バッグ」が鎮座。なんと高さ約2m!
周囲を一周するとロエベのさまざまなバッグのディテールが組み合わさっているのがわかります。
ちなみに会場の壁にはところどころに小さなスキマが設けられ、何かが隠されています。上の写真でもゲストが壁に向かって屈んでいる姿が見えますよね。
このゾーンの壁にはキノコが隠されていましたよ。
1階へ続く階段の前にはステッカーの束がたくさん!
「お好きなものを1枚選んで、階段の手すり以外に貼ってください」とのこと。
階段はステッカーアートと化していました。こういった参加型のコーナーがあると嬉しくなります。
「クラフトによる連帯」というコーナーでは世界各地のクラフトを支援するロエベの取り組みを紹介。
この展覧会で一番テンションが上がったのがこちら。
ロエベのクリエイティブ ディレクターを務めていたジョナサン・アンダーソンが手がけたメンズ、ウィメンズ合わせて 54体ものルックの展示です。
ランウェイの映像も流れ、ロエベが伝統のレザー製品だけでなく、ファッションにも注力していることがよくわかります。
さて、再びスタジオジブリとのコラボが繰り広げられます。
壁一面に「ハウルの動く城」の映像が流れ、壁にはカオナシやハウルのレザージャケット。
他にはトトロやまっくろくろすけのバッグなども並んでいましたよ。
心癒されたのが空中で揺れる愛らしい花園。
吊るされているのは、20世紀初頭のテキスタイルデザイナー、チャールズ・フランシス・アンズリー・ヴォイジーの図案を使った2021年のコート。空間設営は日本のフラワースタジオ「edenworks」が手がけています。ここにずっといたいと思わせるような、楽園のような空間でした。
会場にはギフトショップも併設されています。
この展覧会だけで入手できる限定商品もありますよ。
ロエベの創業期をはじめ、取り組みやコラボ、最新のコレクションまで、遊び心を取り入れながら、ブランドの魅力を伝えるこの展覧会。
想像以上に面白かったので、期間中にまた行きたいと思っています。
レザーやファッション、ものづくりに興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
展覧会は2025年5月11日(日)まで。
入場無料・要予約(下記のリンクより)。
<ご案内>
ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界
東京都渋谷区神宮前6-35-6
https://www.loewe.com/jap/ja/pd/stories-projects/crafted-world-exhibition.html