
35年ぶりにビール醸造復活。ヱビスブルワリーで乾杯!
No. 440
「恵比寿」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
猛暑が続くこの季節であれば「ビール」とおこたえになる方もいらっしゃるかもしれません。
そう、「ヱビスビール」。
その名を冠した街・恵比寿のルーツは、このビールにあります。1890(明治23)年、日本麦酒醸造会社(のちのサッポロビール)がこの地に醸造場を設けたことから「ヱビスビール駅」と呼ばれ、やがて「恵比寿」という地名になりました。
明治から平成にかけて、恵比寿ではビールづくりが続けられてきましたが、1980年代に製造機能が他の地域へと移されたこともあり、この地での醸造は静かに幕を下ろしました。
それから時を経て2024年、なんと実に35年ぶりに醸造が復活!ミュージアムやタップルームを設けた、より充実した施設に生まれ変わりました。それが恵比寿ガーデンプレイス内にある「エビスブルワリー」です。
中央部にはこの施設の心臓部といえる3体の醸造釜が鎮座。その左右にヱビスビールの歴史をたどるミュージアム、出来立てのビールが味わえるタップルームという空間構成になっています。
ミュージアムでは「東洋のビール王」と称された馬越恭平(まこし きょうへい)について紹介されていました。
彼は明治から大正にかけて活躍した実業家であり、ヱビスビールの発展に大きく貢献した人物。「ビールは馬越によって日本に根付いた」と言われるほどの影響力を持ちました。そのうち、大河ドラマの主人公になるかも!?
創業当時の広告やラベル、瓶など、懐かしさと美しさを兼ね備えたアイテムの数々も並んでいます。こちらは蓋つきの縁起が良さそうな絵柄のレトロなビールジョッキ。かわいいですね。
また、恵比寿の街とのつながりやヱビスビールが登場する漫画の紹介コーナーなども。
私が訪れたときは、アーティスト・荒木飛呂彦さんによる「ヱビスビールの美人画」の描き下ろし作品の展示も行われており、ビール文化とアートの融合が新鮮でした。
こちらはビールの原料を展示するコーナー。
実際に蓋を開けて匂いをかぐことができます。
ホップは苦味、香り、防腐効果を与える重要な役割を担っています。名前は知っていましたが、見るのは初めて。
ホップは生のものを使う場合もありますが、一般的には加工された形で使われるのが一般的です。乾燥させたホップは香ばしくもあり、ちょっと“クセ強”でした。
施設の中央部にある3体の醸造釜エリアですが、見えているのはブルワリー全体の約2割でしかないそう。
ちなみに1つの釜の醸造量は約1,000リットルで、全体の年間醸造量は約130キロリットルだそうです。
そして、お待ちかねのタップルームへ。
ここでは出来立てのビールを味わうことができ、いつもビールファンで大変賑わっています。
オーダーと同時にお会計を済ませ、ビールやおつまみをカウンターで受け取るスタイル。注文が入る度にタップからビールが注がれる、ライブな場面を見ることもできますよ。ちなみにお会計はキャッシュレスです。
好きなテイストを見つけたいなら、2種セットや4種セットがおすすめです。どれも個性豊かで、ひとくちごとに表情が変わるよう。
私は普段、ビールはあまり飲まないのですか、こちらの「YEBISU ∞(インフィニティ)」だけは別。初めて飲んだ時からの大ファンで、このビールが飲めるからこそヱビスブルワリーに訪れるといってもいいほど。
私は2種を選びましたが、こんなふうにビール名を印刷した紙も付けてくれるので、お気に入りを知るのに役立ちます。
ビール好きの友人は4種を試していましたが、こちらも2種同様にビール名がわかります。
おつまみも秀逸で、とくに私のお気に入りは「スパイシーナッツ」。香ばしさとほどよい辛みが、ビールをさらに引き立ててくれます。
おみやげ用のグッズコーナーも併設され、ビアグラスやTシャツ、付箋、マスキングテープなど、ビールや醸造釜をモチーフにしたグッズが販売され、エビスファンなら思わず手が伸びてしまいそう。
恵比寿の街とビールの深い関わりにふれながら、五感で楽しめるヱビスブルワリー。
旨しおつまみとともに作り立ての爽快な喉越しのビールを楽しんではいかがでしょうか。
<ご案内>
ヱビスブルワリー
東京都渋谷区恵比寿4-20-1恵比寿ガーデンプレイス
03-5423-7255
https://www.sapporobeer.jp/yebisu/communication/yebisu-brewery-tokyo/