バンコクから鉄道で世界遺産が集まる古都アユタヤへ
No. 412
タイ・バンコクから日帰りでも行ける観光スポットとして人気なのが、世界遺産のアユタヤ遺跡。古都アユタヤは14~18世紀に王都として繁栄し、町には大仏塔のある寺院や仏像の顔が埋まっている樹のある遺跡など、たくさんの見どころがあります。
バンコクから約80㎞離れたアユタヤにはツアーで行くこともできますが、個人手配で行く場合は鉄道やロットゥー(乗合ミニバン)を利用するのがよいでしょう。
バンコクからアユタヤ行きのタイ国鉄ですが、昔は「ファランポーン駅」から乗車するのが一般的でしたが、今は地下鉄(MRT)の「バンス―駅」に直結する「クルンテープ・アピワット中央駅」を利用する方がアクセスよくて便利だと思います。
私が乗車した便は、アユタヤまで約80分、ファン付きの指定席で20バーツ(約80円)でした。
この日、クルンテープ・アピワット中央駅でアユタヤ行きの切符を求めると満席。1時間後だったら3等車に乗れるといわれ、しばらく駅付近を散策することにしました。
こちらはあまり使われていないプラットフォームなのでしょうか、小さな食堂やテイクアウトできるカフェが連なっていました。早速、タイに来たらなぜか飲みたくなる「テンモーパン(スイカシェイク)」をテイクアウト。
電車に揺られていると、車掌さんが切符チェックに訪れます。
驚いたのは、自分の指定席なのに他の人が座っていても何も言わずにそばに立っているタイ人の多いこと。間違って座っている人に車掌さんが本来の席をおしえて移動させると、ようやく自分の席に座るのです。「微笑みの国」といわれるから、タイは寛容な人が多いのですね。
アユタヤ駅に到着したら、日帰りする場合は帰りの切符を買っておきましょう。
プラットフォームも駅舎もクラシックで美しいアユタヤ駅。
どこか気だるくてノスタルジックなムードがたなびいています。
当初、自転車でアユタヤの街を巡る予定でしたが、あまりの暑さで駅前のトゥクトゥクに交渉することになりました。
世界遺産が集まっているところは点在し、多くが駅から離れているところもあり、徒歩でも行けなくはないけれど、効率よく周りたいなら自転車かトゥクトゥクを利用するのがよいでしょう。
バンコクで見かけるトゥクトゥクとは異なり、アユタヤのトゥクトゥクはこんなデザインです。荷台に乗っているような気になりますが、風を感じながら周囲の景色を眺めることができ、なかなか楽しい乗り物です。
駅前にズラリと並ぶトゥクトゥクは呼び込みがエネルギッシュなので、ボッタくられるのでは?という気になり、一瞬ひるみますが、どの車も1時間300バーツ。3~5時間で交渉するとお得になります。私たちは4時間1000バーツでお願いしました。
さて、アユタヤで訪ねた寺院を1つ紹介したいと思います。
「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン(Wat Yai Chai Mongkon)」(入場料20バーツ)は大仏塔の中段まで登ることができ、さらに仏塔内にも入ることもできます。
この寺院の仏塔はラーマーティボーディー1世がセイロン(現スリランカ)へ留学した影響で、スリランカ様式で建造されました。
高さ72mの仏塔は1592年に19代ナレスワン王が象にまたがり、一騎打ちでビルマ王子を敗り、その勝利を記念するもの。仏塔に上がる人の姿が小さく見えるほどだから、いかに巨大なのかがわかります。
仏塔のなかには中央部に井戸が掘られ、周囲を仏像が囲んでいました。
さて、私がこの寺院で好きな風景が仏塔の周囲に連なる仏像群。
一体何体?…と言葉を失うほど圧巻です。
まず、日本では見られない光景です。
大きな涅槃仏も屋外に安置されています。
仏様の前では線香を手に祈りを捧げる人が後を絶ちません。
さて、アユタヤに来たらぜひ、郷土菓子のお土産を。
それが「ロティ・サーイマイ」です。
今回、私たちが行ったのは「ミシュラン・ガイド」でビブグルマンに登録されたお店ですが、アユタヤには何軒も自家製ロティ・サーイマイのお店があります。
トゥクトゥクのドライバーに「ロティ・サーイマイを買いたい」といえば、連れて行ってくれます。
このお菓子は日本にはない、不思議なカタチをしています。
袋のなかにはクレープ生地(下)と糸の束のようなもの(上)が2つ入っています。
糸状のものはパームシュガーから作った飴をのばしたもの。
これを米粉で作ったクレープで包んで食べます。
このお菓子は昔、アユタヤに移り住んだペルシャ人が伝えたものだとか。
イランの「パシュマック」と呼ばれる綿菓子に似ているそうで、そのせいかムスリムの方々が経営しているお店が目立ちました。
バンコクではなかなかお目にかかれないので、アユタヤに行ったらぜひ味わってください。
ところで、アユタヤではトゥクトゥクに乗ってある名物を食べに行きましたよ。
日本でも食べられますが、タイ人にもアユタヤ産は格別と言わしめている旨しものです。それはまたご紹介しますね。
<ご案内>
ワット・ヤイ・チャイ・モンコン ( Wat yai chai mongkhon)
3 Khlong Suan Phlu, Phra Nakhon Si Ayutthaya District
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