「京ゆば処 静家」。数々のゆば料理に舌鼓。
No. 11
「京町家」。皆様はどんなイメージが湧くでしょう?今回は、京都西陣大宮通にお店を構える「京ゆば処 静家」さんをご紹介します。
京都美山に本店、二条城店、そしてこちらの西陣店と三店舗あり、西陣店は築130年の京町家。
明治初期に糸問屋として建てられたと伝えられ、主屋は木造一部二階建で、間口は六間半。外壁は黒漆喰塗で、一階開口部には切子格子が用いられています。糸屋八町と呼ばれた大宮通に沿って栄えた糸問屋街の面影を今に伝える貴重な建物です。
ご案内いただいたのは、お茶室として使われていたお部屋で、通りに面した広間と店の奥の広間とのちょうど中間に位置しており、入り口に御簾が垂らされた優雅な個室です。
昼食の品書きは、「ゆば尽くし膳」4,100円、5,400円、6,480円の3コース。今回は「ゆば尽くし膳」4,100円のコースをいただきます。
こちらは「汲み上げゆば」と「豆乳」。柔らかく口当たりの良いゆばが、少しの醤油とわさびをスパイスに舌を包み込みます。と〜っても!美味しい。国産大豆の甘味がたまりません。
ゆばは、京都に住む前に住んでいたパリでは一度も口にしたことがなく、東京でもお料理の中で少し出てくる程度で、お吸い物や乾燥ゆばをおうどんに入れるくらいです。
季節の豆乳冷製スープ(アオサと生姜のせ)、そして季節の八寸と続きます。
目にも楽しい、色とりどりの八寸。「生麩の田楽、ゆばのおひたし、京ミョウガ、ゆば棒寿司、焼き目ゆば、豆乳抹茶水無月」。
ゆば棒寿司は紫蘇とセロリをゆばで巻いてオリーブオイルとお塩で味付けされたオリジナル。香りと食感がとても繊細で、酢飯とよく合います。
そして、ゆばのお刺身「引き上げゆば」と「つまみゆば」。
「引き上げゆば」は、竹串で引き上げたゆばを、贅沢に3枚重ねたお刺身。しっかりと噛んで味わっていただくと、ゆば本来の甘味が味わえる、と女将。
「つまみゆば」は、手でつまんで器に集めていく製法。7枚分程を集め、複雑な層ができます。型に入れておいたものを好みの大きさに取り分けて。
さて、女将がお話をしながら、焼いて下さるのは、ゆばステーキ。
バターでこんがりと焦げ目がつくくらいにゆばを焼きますと、ふっくらと膨らんで、さぁ、食べごろです!
お醤油ベース、ゴマベース、二種類のタレで味わうゆばステーキは、今まで食べた事のない、香ばしいゆばのお味。
この時間、ゆばの事、京都の事をゆったりとお話を伺う事ができます。
そして美山鼓の炊き合わせ、ご飯とゆば紅茶時雨、清汁(すましじる)。
「美山鼓(みやまつづみ)」は、ユリ根、キクラゲ、銀杏がゆばに包まれています。それをお出汁で少し甘辛く炊いてあり、口に含んだとたん、旨味がじゅわっと広がる1品。
デザートは豆乳プリン。豆乳のお味と控えめな甘さが、すっと染み入る大人なデザートです。
お茶室の奥は広々としたお座敷。すべて椅子とテーブル席。ゆったりとした時間が流れ、御簾ごしに見える緑が美しい贅沢な空間。女性同士の優雅なランチ、特別な方とのディナーに、とっておきのお店です。
素敵な女将が、心を尽くしておもてなししてくださり、リラックスしながらも上質なひとときを過ごせます。
ちょっとおしゃれをしてお出かけくださいね。
「京ゆば処 静家」西陣店
602-8442京都市上京区薬師町234
075-468-8487
昼11:30-14:30
夜17:00-19:45
定休日・水曜日
テーブル席38席
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