織物美術家、龍村光峯の工房見学と高機織りを体験。
No. 108
京都に暮らしていると沢山の織物を目にする機会があります。どのように作られているのでしょうか?
本日は『龍村光峯(たつむらこうほう)の工房見学と高機織り体験』へ。織物を勉強しにお出かけしましょう。
訪れたのは京都市北区、上賀茂神社へ行くまでにある光峯錦織(こうほうにしきおり)工房。
昔ながらの建築技術で建てられた吹き抜けの大きなホール。天井にはガラスの瓦を使用しているそう。こちらには様々な錦織の作品が飾ってあります。
本日ご案内いただいたのは、錦の伝統織物作家・龍村 周(あまね)さん。とっても優しくて、なんでも教えてくださいます。
織物初心者の私にもわかりやすく説明していただきました。錦織は先染紋織物(さきぞめもんおりもの)といって織物の設計図にあたる紋意匠図を制作し、あらかじめ糸を必要な色に染め、機に経糸(たていと)を張り、これに緯糸(よこいと)を組み合わせていくことで文様を織り出していくのだとか。日本の伝統産業はほとんどが分業制で専門性が高く、一つの作品を作り上げるのに70人以上の職人が携わっています。
こちらは瀬戸内海の海を表現した作品(部分)。東宮御所に納められており、なんと100色の糸から織られているそう。
ポーランドのヴィエリチカ岩塩坑からインスピレーションを得た作品。(周さん作)
こちらはまた別の作品。拡大して見ても、とっても艶やかな美しさが魅力的ですね。
経糸と緯糸が織りなす輝きは、光の角度によって様々な表情を見せてくれます。糸の組み合わせ方、錦糸、ラメ、箔など、それぞれが持っている特性を考えて作品が出来上がるまでに2年半もかかったそう。
また、古代裂(こだいぎれ)の復原は織物技術の保存、継承、記録を残す事にも繋がるのだとか。
さて、お待ちかねの工房見学。工房に入ると高さ・奥行き、共に4メートル程の高機がズラリ。職人さんのお仕事を見せて頂きました。
杼(ひ)
経糸の間に緯糸を通すのに使われる道具。
迷いなく織り進める姿は、まさに職人。
機織りでは、特に足は重要!と周さん。
沢山の種類の糸と金箔を使って作業されていました。根気と忍耐力、何より高い技術が必要ですね。
今回、見学とは別に高機(たかはた)を織ってみよう体験(1,500円)を申し込み、やる気満々!
まず、杼を左右に通す練習をし、右足、左足、やり方を教えてもらうと…どうにか、できました。楽しい〜!でも、本当に、1mm織るのに何分かかったのかしら?
高機の奥側には、経糸が張られています。
張られた経糸は、全て小さな穴を通らせる事で織機と繋がり、上げ下げを制御されています。なんて細かいのでしょう!
紋紙(もんがみ)
完成した紋意匠図に従って、経糸の上げ下げの情報を穴をあけてあらわした短冊状のボール紙。
高機織り体験の他にも、機織体験でコースター作り(1,500円)や、錦織アクセサリー手作り体験(3,500円)も。
こちらはコースターですね。
好きな色の緯糸を選んで織ったものはお持ち帰りができますよ。
工房ではがま口などの小物入れや、すきや袋、帯も販売。実際に体験すると、丹精込めて作られた織物がとっても貴重なものに感じられます。皆さんも是非見学してみてはいかがでしょうか。私は海外の友人を連れて体験してもらおうっと!
<ご案内>
株式会社 龍村光峯
〒603-8107
京都市北区紫竹下ノ岸町25
075-492-7275
(工房見学・体験など詳細はお問い合わせ下さい)
まずはご試着ください♪
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