ヨーロッパやロシア文化が息づく中国・ハルピンを訪ねて
No. 143
東京(成田空港)からLCCの春秋航空で約2時間で到着する中国・ハルピン(ハルビン)。
この街にはヨーロッパやロシアの文化が残り、石畳の街を歩くとヨーロッパの1都市に旅したような気分になります。
中国の他の都市にはない魅力をもつハルピンを訪ねてみましょう。
ハルピンは中国東北部の黒竜江省に位置し、8番目に大きな都市です。かつては「満州」と呼ばれ、日本人も多く暮らしていた街。大通りの石畳や建築物などがヨーロッパやロシアを思わせ、西洋のムードをそこここに漂わせています。
その背景にはこの街にロシア人が多く暮らしていたことが挙げられます。
ハルピンは1896年に清朝と帝政ロシアの間で結ばれた条約により帝政ロシアの支配下となり、1898年にはロシア帝国が満洲を横断する東清鉄道の建設に着手しました。
交通の要衝となったハルピンには多くのロシア人が暮らしはじめ、人口が急激に増え、経済も発展していったのです。
冬の気温は−20℃以下に下がる日も珍しくないものの降雪量は意外に少ないハルピンは「氷の町」と言われます。訪れたのは12月初旬でしたが、東京では経験したことのない寒さに驚きました。この街では毎年1~2月にかけて氷と雪の祭典「ハルビン氷祭り」が開催され、多くの観光客が中国はもとより、世界中から訪れることでも知られています。
では、ロシアやヨーロッパの影響を受けた観光スポットを紹介しましょう。
ロシア正教会の「聖ソフィア大聖堂」は1907年の創建。現在は、内部は教会や聖堂としては使われることはなく、ハルピンの開拓時代の写真などを展示しています。
ビザンチン様式の聖堂は高さ53.35m、建築面積は721㎡。約2000人が収容できるそうです。
レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』のレプリカも飾られています。
夜はライトアップされ、多くの人で賑わっています。
聖ソフィア大聖堂の近くには市場があり、ヨーロッパの伝統的な製法で作られている食べ物に遭遇しました。
たとえばこのシャリキュトリー(肉の加工品)。
実演販売されている時はダイナミックなお肉の塊に驚きましたが、頼めば小さくカットしてもらえます。
お肉の旨味がたっぷりと封じ込まれたこのシャリキュトリーはフランス料理の一皿を思わせ、見た目もオシャレで美味しさもいうことなし。
ハルピンではこのシャリキュトリー類がよく食べられているそうです。
「秋林公司」はロシア人実業家イワン・チューリンが1908年に創業したデパート。チューリンは中国語で「秋林」と書き、それが店名になっています。創業当時はロシアの食材や欧米で流行している製品などをいちはやく取り入れて、販売していたそう。
中央大街はハルピンの目抜き通り。1924年に整備され「アジア最大の石畳の通り」といわれています。
ロシア統治時代は「中国人街」(ロシア語でキタイスカヤ)と呼ばれたこの大通りは全長1450m、幅21.34m。
「東方のパリ」と言われる通りにはヨーロッパ風の建物をはじめ、ルネサンス式、バロック式など、さまざまな様式の建造物が点在しています。現在はハルピン随一のショッピング街となり、朝から夜まで、地元の人や観光客たちであふれています。「歩行者天国」であることも人が集まる理由でしょう。お土産屋さんも多いです。
夜もロマンティックなムード満点です。
中央大街には 100年以上続いている老舗のロシア料理のお店もあります。
それが1901年創業の「TATOC(タトス)」。
中国語だと「塔道斬西餐庁」と書きます。
店の玄関は地階にあり、なかに入ると重厚感のある調度品が配され、クラシカルなムードが漂っています。ロシア人がハルピンで多く暮らしていた創業当時は、故郷の味をしのぶ人たちで賑わっていたことでしょう。
ここでは伝統的なロシア料理を単品でもアラカルトでも楽しめます。
イクラやサーモン、赤キャベツなどを使ったカナッペ。
お肉と野菜の入った壺焼き。
本格的なロシア料理を初めていただきましたが、日本人にも馴染みやすい味わいに思いました。ハルピンを訪れたら滞在中、ぜひ一度はロシア料理を体験してみたいものです。
もちろん、ロシア料理だけでなく中国東北部の料理も味わえます。とくに東北部のソウルフードといわれる水餃子はいくらでもお腹に入りそうなほどの美味しさでした。
LCCの就航で気軽に行けるようになったハルピン。
ヨーロッパやロシアの雰囲気が好きな人にはおすすめの旅先ですよ。
<ご案内>
聖ソフィア大聖堂
中国ハルピン道里区透笼街88号
秋林公司
中国ハルピン南崗区東大直街297号
TATOC(塔道斬西餐庁)
中国ハルピン道里区中央大街127号
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