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庄内藩の藩校だった風格ある「致道館」へ

No. 301

庄内地方の酒田と並んで中核を担う鶴岡市は庄内藩酒井家の城下町として栄えた街。
以前は日本で唯一の黒のマリア像が安置されている「鶴岡カトリック教会」を紹介しました。(記事はこちら
今回は東北地方で唯一現存する藩校として知られる「致道館」を紹介します。
西御門

鶴岡市内中心部「鶴ヶ丘城址」に近く、内川畔に建てられた藩校致道館は1805(文化2)年に庄内藩9代目の酒井忠徳によって創設されました。歴史的価値のある建造物は一般にも公開されており、西御門をはじめ、講堂、御入間、聖廟などを見学することができます。

風格のある西御門を通って敷地内に入ると、石造りの通路や手入れの行き届いた草や木々の緑が美しいこと!
通路と木々

大木

藩校では明治6(1873) 年に廃校になるまで、儒学者・荻生徂徠(おぎゅうそらい)が提唱した、人の天性に応じ、その才能を伸ばす「徂徠学(そらいがく)」を教学としていました。自ら考え、討論し、解決する教育が行われていたのです。

実際に使われた書物も残され、そのなかには致道館で編集・印刷された教科書もあります。当時は江戸から教科書を取り寄せることができず、一字一句を版木に彫って製本したそう。庄内藩の丁寧な教育が伝わってくるエピソードですね。
講堂

西御門の正面にある広々とした畳敷きの「講堂」。ここでは生徒が集まるほか、藩主が留守の年には藩の役人が集まり、藩政について会議を行ったそうです。講堂は藩主専用の「御入間(おいりのま)」ともつながっています。

豊かな緑に囲まれた講堂は学び舎としての環境が整っているような気がしました。
堂外観

また、講堂を囲む廊下もインテリジェンスを感じさせます。
廊下

講堂の脇に建てられている「聖廟」では孔子が祀られています。
聖廟

庭に出てみると、その向こうには神社の屋根を思わせるスペイシーでダイナミックな建物が!
庭からみた荘銀タクト鶴岡

2017年に開館した「荘銀タクト鶴岡」です。ここは鶴岡市の文化芸術活動の拠点。この建築を手がけたのは金沢21世紀美術館も設計した建築家ユニットSANAA(妹島和世と西沢立衛)。偶然にも私の好きな建築家の作品に出会えて嬉しいかぎり。
荘銀タクト鶴岡

後で知りましたが、かつて荘銀タクト鶴岡の敷地と致道館との間には塀があったそうです。
設計プランは致道館も含めてひとつの連続する空間にするというもの。その計画に基づき、鶴岡市が国に交渉した末、塀は撤去されました。その結果、致道館からは荘銀タクト鶴岡が、荘銀タクト鶴岡のエントランスからは致道館と庭が一望できる空間が誕生したのです。

この日、荘銀タクト鶴岡のなかに入る機会はありませんでしたが、いつかこのホール空間も体験したいものです。

さて、この致道館を創設した庄内酒井藩主や鶴岡の建築物ついて詳しく知りたい方は「致道博物館」へ行ってはいかがでしょうか。酒井家の御用屋敷が博物館となり、鶴岡の貴重な歴史的建築物も移築され、見どころ満載ですよ。

致道館を後に向かったのは「大宝館(たいほうかん)」。
大宝館外観

鶴岡には旧い洋風の建築が現存していますが、この建物もそのひとつ。白壁に赤いドームがのった、モダンでかわいい建築です。
大正天皇の即位を記念して1975(大正4)年に建てられた大宝館は、開館当初は物産陳列場、戦後は市立図書館として利用されました。現在は明治の思想家、評論家である文豪・高山樗牛(たかやまちょぎゅう)や幕末から明治にかけて活躍した博物学者・松森胤保(まつもりたねやす)など、鶴岡ゆかりの偉人たちの資料が展示されています。
街の建造物

街を歩いていると、趣があり、ノスタルジーな気分に浸れる建物が点在する鶴岡。
いつかまた歴史を感じさせるモダンな建築を訪ねて、あちこち散策したいと思います。
街の建造物2

〈ご案内〉
庄内藩校 致道館
山形県鶴岡市馬場町11-45
TEL 0235-23-4672
https://www.chido.jp/chidokan

大宝館
山形県鶴岡市馬場町4-7
TEL 0235-24-3266
https://www.tsuruokakanko.com/spot/408

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