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夏の装い。浴衣姿で銀座界隈を散策。

No. 16

 毎日、暑い日が続きますね。夏といえば、太宰治の短編作品集「晩年」のなかの「葉」にこんな一節があります。
 「死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。」
 夏が近づくとなぜかこのフレーズを思い出します。新しい着物着るために死ぬことを思い留まるなんてちょっと大げさではありますが、女性ならその気持ち共感できるところもあるはず。お洒落をしたいという気持ちは、生きる原動力にもなるんですね。
 というわけで、私も、この夏を乗りきるため、新しい浴衣を新調しました(笑)。紺地に白の絞り。長く着られるよう、落ち着いた柄にしました。帯は母から譲り受けた博多帯です。洋服は個々の好みもあり、さすがに母から貰っても着られるものは皆無ですが、和装は別です。我が家には祖母が着ていたものもたくさん残っていて、いずれ、着物で生活できれば、などと思っているのですが、仕事をしているとなかなかそうもいきません。着物を着た後の片づけも面倒で、つい億劫になってしまうんですよね。
 だけど浴衣は別。夏まつりにも盆踊りに花火大会…、夏はなにかと浴衣を着る機会が多いですね。着物とは違い、気軽に着られていつもとは違うお洒落が楽しめるのも浴衣の魅力です。
 せっかくなので、新調した浴衣でお出掛けしました。

歌舞伎座
 スタートは歌舞伎座から。歌舞伎座では、8月から「八月納涼歌舞伎」(8/9~8/28)が始まりますが、実は歌舞伎を見るだけが、歌舞伎座の楽しみ方ではありません。歌舞伎座のある歌舞伎タワーはお楽しみが盛りだくさんのスポットでもあるのです。
 地下2階のお土産物や軽食のフローではなく、エレベーターで5階へ。意外と知られていませんが、ここには歌舞伎を楽しめる文化施設「歌舞伎座ギャラリー」があります。現在の展示は「体験空間 歌舞伎にタッチーしる・みる・ふれる・やってみるー」という体験型企画で、歌舞伎の舞台に登場するあれこれを、見るだけでなく、触ったり動かしたりできます。あの歌舞伎独特の馬に跨って撮影したり、貝殻をこすり合わせて、カエルの鳴き声を出したり、小豆の入った大ざるをゆっくり動かして、波の音を出したり…。小豆がつけられたうちわをパタパタとすれば雨音になるのですが、これがなかなか難しくて、つい夢中になってしまいました。

歌舞伎の馬
 別のブースでは、疑似舞台が設えられ、花道で、大きな傘を手にポーズを決めて、なりきり「白浪五人男」に。藤の花を持って「藤娘」バージョンもあります。
 映像の上映会も行われ、この日は「特別映像 市川猿之助 宙乗りができるまで~新臺猿初翔(しんぶたいごえんのかけぞめ)」が上映されていました。2013年に新しく生まれ変わった歌舞伎座で、この6月、猿之助により初めて宙乗りが行われるということで、その準備から、初日までを密着したドキュメントでした。上映は20分。
 歌舞伎座ギャラリー内では、時折、トークイベントが開催されており、歌舞伎俳優のお話をアットホームな雰囲気で直接触れ合えるチャンスです。詳細はサイトで確認しましょう。入場料は、一般600円。小・中学生500円(小学生未満無料)です。

銀座ライオン
 歌舞伎の雰囲気を堪能したら、今度は、「銀座ライオン」へ。日本初のビアホールが誕生したのは1899年8月4日。この「ビヤホールライオン銀座7丁目店」はその流れを汲、むもので、1934年4月8日にオープン。現存する日本最古のビヤホールといわれています。正面のガラスモザイク大壁画をはじめ、照明、柱、装飾品など、内装は当時のまま。昭和初期にタイムスリップしたかのようです。
 土曜の午後ということで、入り口には行列が…。一刻も早くビールを飲みたい私は、行列を横目に、2階の「BEER&WINE GRILL銀座ライオン 銀座七丁目店」へ。メニューは若干違いますが、美味しいビールをいただけることに間違いありません。そして、比較的すいているので、穴場です。この日は大ジョッキを頼むと三角くじを引けるというので、大ジョッキにトライしましたが、見事にはずれてしまいました。(大ジョッキフェアは8月3日まで)。
 ちなみに8月4日は年に一度の創業祭「ビヤホールの日」ということで、生ビール全品終日半額になるとのこと。浴衣でビール、そして枝豆。これぞ、日本の夏です。ぷは~っ。

東急プラザ銀座
 ほろよい気分で、銀ぶら。次に向かったのは今年3月にオープンした「東急プラザ銀座」です。伝統工芸江戸切子をモチーフとした外観が印象的で、新たな銀座のランドマークとして注目を浴びています。残念ながら、時間が遅かったので、エレベーターで一気に屋上「キリコテラス」へ。ここからの眺めは最高です。今度、時間のある時に、また改めてくるとしましょう。
 ところで、銀座では、毎年「ゆかたで銀ぶら」というイベントが行われていて、今年は、7月31日に開催されます。
 たとえば、銀座の象徴ともいえる時計台や銀座どおりをバックにカメラマンが無料で撮影してくれる「ゆかた写真館」や、「風鈴絵付け体験」など、この日に、浴衣か着物で銀座に行けば、協賛店で特典を受けられるなど、いいことがたくさんあるイベントなのです。 
 ひとりで浴衣を着ることができない人のためには、「ゆかた無料着付け処」も設けられ、浴衣と小物一式を持参すれば、無料で着付けてくれるという至れり尽くせりのサービスもあり、昨年は、外国の方も多く参加していました。浴衣を着て銀座にお出掛けしてみませんか? 

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