ネットから離れ、活字に没入!「子ども本の森 神戸」
No. 468
大好きな街、神戸・三宮でかねてから行きたい場所がありました。
三宮の東遊園地の緑に溶け込むように現れる、コンクリート打ちっぱなしの建物。それがずっと行きたかった「こども本の森 神戸」。

ここは建築家・安藤忠雄氏の寄附と設計によって開館した、子どものための文化施設です。震災を経て美しい街並みを取り戻した神戸の地に、次代を担う子どもたちの居場所をつくりたい―そんな安藤た忠雄の願いが、この場所に息づいています。
エントランスを抜けてロビーに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが「青いリンゴ」のオブジェです。赤く熟れた甘いリンゴではなく、あえての青リンゴ。

これは安藤氏が敬愛する詩人サミュエル・ウルマンの詩「青春」にちなみ、「未熟であっても、明日への希望に満ち溢れた青春の精神」を表しているもの。
訪れた瞬間から、ここが単なる図書館ではないことが伝わってきます。
館内は大階段が設けられ、天まで吹き抜けになった開放的な空間。
天井まで届く本棚がぐるりと空間を取り囲んでいます。左右の本棚が本の木々と化し、森の中に足を踏み入れてしまったような感覚に陥り、思わず声を失ってしまいました。


絵本や図鑑、児童文学から震災関連の本まで、約25,000冊もの蔵書が並んでいますが、驚くのはその分類の仕方です。
難しいジャンル名ではなく、子どもにも親しみやすいオリジナルのテーマが掲げられているのです。
「こそだての森」「よのなかの森」…。大人でもつい「どんな本だろう?」とハッとするようなネーミング。好奇心をくすぐられてしまいます。


館内で一番静けさを感じる場所が、円筒形をした小さな休憩室です。
この本棚の向こうの中央にほんの少しだけ見えているお部屋がそうです。

トップから光が降り注ぐこの空間には、教会で使われる「チャーチチェア」が置かれています。
あまり馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、この椅子の背もたれの裏には通常、聖書を収めるための箱が備わっています。ここではもちろん聖書ではなく、スタッフが週替わりで選んだ本がそっと収められているそう。

ひんやりとした空気の中、しんと静まりかえる空気に包まれながら本のページをめくる時間は、心を整えるための礼拝堂にいるような感覚を覚えます。
また、本棚やスツール、テーマを示すサインには、神戸のシンボルである六甲山に生えていた木々など、地元産の木材が使われています。
ひとつひとつ丁寧に作られた家具にふれながら本を読む時間は、単に活字を追うだけでなく、神戸という土地そのものと向き合う時間。


また、来館記念のグッズを買いたい人はぜひ、1階のライブラリーショップへ。

図書館の外にはトーテムポールや花時計が備わった東遊園地の緑が広がっています。
館内で静かに本に集中し、公園で開放的な時間を過ごす…。ふたつの体験を自由に行き来できるのが、この場所ならではの贅沢です。天気の良い日には本を公園で読むこともできますよ。


読書の秋がやって来ます。
スマートフォンの電源を切り、しばし本の世界に浸ってみませんか。
ここでは本の貸し出しは行われていませんが、じっくりと活字の世界に没入できます。
「こども本の森 神戸」は大人になった今だからこそ、あらためて訪れてみたくなる場所です。


<ご案内>
子ども本の森 神戸
兵庫県神戸市中央区加納町6丁目1-1
078-325-1125
https://kodomohonnomori-kobe.jp