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春日通りの寄り道。春日局ゆかりの麟祥院と老舗甘味処へ

No. 452

東京大学のある文京区本郷から春日通りを通って、JR御徒町駅に向かって歩いていた時のことです。ふと視界の端に、見覚えのある文字が飛び込んできました。

「春日局」「麟祥院」。

春日局像

一瞬、歩みが止まりました。春日局といえば、徳川三代将軍家光を支えた乳母として知られる人物。彼女の名前をまさか交通量の多い通り沿いで目にするとは!

初めてその名を知った「麟祥院(りんしょういん)」は春日局の菩提寺。
臨済宗妙心寺派の寺院で、寺号は春日局の法名「麟祥院殿従三位日浄大姉」に由来します。

山門

一歩境内に入ると、春日通りの喧騒は消え失せ、ささやくような鳥の声が響いています。豊かな緑に囲まれた空間は、訪れる人の心をゆっくりとほぐしてくれるようです。
お寺

内境

個人的に、春日局は激動の江戸初期、家光を守り、将軍にさせるために奔走した女性という印象を抱いています。生涯、「家光推し」だったのが春日局でした。

その「推し」への献身ぶりは、想像する以上に徹底したものでした。
家光が疱瘡(ほうそう)を患えば、その平癒を祈願して自らは一生「薬を飲まない」という誓い(薬断ち)を立て、死ぬ間際までそれを守り通したといいます。

そして、将軍の世継ぎを案じての側室探し、家光が将軍に就任した際には、感謝の印として渋谷金王八幡宮の神門や社殿を造営。彼女の人生は「家光公のために」という1点に集約されていました。

美しく整えられた庭園を眺めながら、春日局のお墓へ向かいます。
庭園

春日局は家光の乳母に任命される前、稲葉家に嫁いでいたので、井戸には稲葉家の家紋である三の字紋(折敷に角三文字)が刻まれています。地面を覆う苔と樹木の緑が通りの喧騒を吸い込み、ひんやりとした清涼な空気を生み出しているかのよう。都心ではあまり見たことのない、深々とした苔の絨毯は時間が止まったかのような幻想的な美しさを伝えます。
井戸

奥まった場所にある春日局のお墓。奇抜な意匠に驚かされました。
春日局お墓

墓石には四方、そして台石にまで穴が穿たれています。
これは春日局自身の遺言によるもので「自分が他界した後も天下の政道を見守り、誤りがあれば正せるよう、黄泉の国からも見ていたい」という願いが込められています。

墓石に穴が通っていることから「願いが通る」といわれ、江戸時代から縁起を大切にする参詣者が後を絶たなかったとか。

また、日本に伝わる「ちちんぷいぷい」と春日局が関係していることも初めて知りました。
縁起を書いた板

予定になかった参拝でしたが、江戸初期に生きた春日局を身近に感じられました。
後で知ったのですが、お寺の前を走る「春日通り」の名も彼女に由来するものだとか。現在もこの地では「春日忌」が営まれるなど、春日局の影響力は数百年を経た今もなお、この街に息づいています。

江戸時代に生きた1人の女性が捧げた深い献身が、道の名となり、祈りとなり、現代の東京の景色となっている…。その事実に、あらためて深い感銘を覚えずにはいられません。

参拝を終えた帰り道は、春日通り沿いにある湯島の老舗甘味処「つる瀬」に立ち寄りました。
外観

昭和5年に創業したお店の看板商品は豆大福で、たいてい買い求める人が並んでいます。

店内では素朴でやさしい味わいのお団子をいただきました。
店内

団子

あんこの甘み、みたらしの甘じょっぱさがしっかり歩いた身体に静かに染み渡ります。
また、豆大福と並ぶ名物「むすび梅」はお土産にするべきか悩みましたが、店内でいただくことに。
むすび梅

こちらは、お店の近くに鎮座する湯島天満宮(湯島天神)の梅にちなんで作られたもの。昆布や大豆、小梅が添えられた白蒸しおこわで、もち米の食感を好む方にはぜひ味わっていただきたい一品です。

江戸初期の歴史にふれ、お寺の緑に癒やされ、最後に和の甘味で締めくくった1日。
本郷や湯島周辺は長い時間の積み重ねを刻んだ、趣のある場所が点在しています。
機会がありましたら、お出かけしてはいかがでしょう。

<ご案内>
麟祥院
東京都文京区湯島4-1-8
03-381-7648
https://www.rinshouin.jp

つる瀬 湯島本店
文京区湯島3-35-8
03-3833-8516
https://tsuruse.jp

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