日本橋室町へ。福徳神社参拝後は金子半之助でグルメ堪能

2019/04/09

No. 164

和菓子をはじめ、刃物、和紙小物など、老舗のお店が集まっている中央区日本橋。
三越など古くからある百貨店に加え、「コレド室町」のような伝統とモダンをテーマにしたオシャレなビルも開業し、江戸時代の文化発信地だったこの地域の魅力を感じる機会が増えました。
日本橋イメージ

今回は「日本橋北詰の町」といわれる日本橋室町にお出かけしてみましょう。

昔、この町には江戸時代に創業された、高級料亭「百川（ももかわ）」が店を構えていたといわれています。資料が少なく詳細はわかりませんが、百川は1760～70年代に創業され、江戸の文化サロン的な役割を担っていたそう。「粋」といわれる江戸文化が日本橋に根づいたのはこの百川があったから、という見方もできます。しかし、明治時代初頭にこの料亭はこつ然と姿を消したとか…。今もなお、多くの謎を残したまま伝説として語られています。

日本橋室町を代表する神社といえば「福徳神社」。
2014年に社殿が再興されました。

福徳神社は別名を「芽吹稲荷」といいます。
主祭神がお稲荷様として知られる倉稲魂神（うかのみたまのみこと）なので、「稲荷」なのですね。

神社の建造は明らかではないものの、9世紀中頃には鎮座していたとか。
当時は福徳村の稲荷神社として祀られ、とくに武将から篤く信仰されたそうです。
11 世紀には源義家朝臣が、戦国時代には太田道灌、そして徳川家康も参詣。

また、この神社は富籤（とみくじ）の発行を江戸幕府から許可されていました。
富籤は今でいう「宝くじ」のようなもので、江戸時代には数万枚の富札が発行されていたとか。富札と同じ番号札を富箱に入れ、キリで「当たり」の札を突き刺していたそう。
そんな歴史もあり、宝くじの当選を願う人も多く参拝されるようです。

福徳神社は境内を含むエリアが「福徳の森」として整備され、夜のライトアップもムード満点。
夜の福徳神社

さて、福徳神社の近くにある「コレド室町」は江戸文化に通じる「粋」な食やモノが集まった洒落っ気のあるビル。

福徳神社参拝後は、コレド室町2にある「金子半之助」でお食事しました。
このお店は日本橋に本店がある「日本橋天丼金子半之助」の新業態としてオープン。
金子半之助　外観

金子半之助といえば天丼が有名ですが、こちらでは「天丼金子半之助」、「海鮮丼つじ半」、「稲庭うどん湯島醍醐」という金子半之助グループの3店が結集。つまり3店の「オイシイとこどり」をしたメニューが楽しめるのです。

お席に案内されると卓上に何やら仕掛けが…。
さて、一体何でしょうか。これは後で紹介しましょう。
テーブル卓上

ここでは、稲庭うどんにあわせて「高菜めし」「天ばらめし」「海鮮のぜいたくめし」が選べます。私がオーダーしたのは天ばらめし。日本三大うどんの1つである稲庭うどんと金子半之助グループが得意とする丼もののコンビ。これを1つのお店で味わえるなんて、金子半之助ファンにすれば垂涎ものです。

しかも、卓上の仕掛けが心にくい!
フタを開けると6種のトッピングが用意されています。

ラインナップはガリごぼう、わかめ、山菜、とろろ昆布、揚げ玉、温泉卵。
なんと食べ放題です＼(◎o◎)／！
トッピングは特にルールはなく、稲庭うどんにも丼にもお好みで。
セット

私は稲庭うどんにわかめととろろ昆布をたっぷりのせていただきましたよ。

秋田県湯沢市稲庭町が発祥といわれる稲庭うどんはコシが強く、ツルツルとした麺を旨味がしみ出したおだしでいただきます。
とてもお上品なお味。
このスルッといける喉ごしと噛みしめるたびに増す麺の旨味。讃岐と五島に並ぶ日本三大うどんの1つといわれるだけあります。

そして「天丼金子半之助」の天ばらめし。
天ぷらは舞茸、イカ、貝柱、海老、海苔。
天ぷらがごま油の香ばしい香りとともに食欲中枢をノックし、食べ進むたびに瞑目…。
途中から卓上のトッピングから温泉卵をいただき、混ぜ入れていただきました。
天ばらめし

さて、店名にもなっている「金子半之助」について少しふれておきましょう。
金子半之助は実在の人物で、浅草生まれ。「日本調理師一心会」の二代目会長を務め、「日本の文化は食にあり」を体現してきた方のようです。お店の名物である天丼は、金子半之助の孫にあたる金子真也が半之助より預かった閻魔帳（レシピ帳）をもとに試行錯誤の末、完成したものだそう。

コレド室町2の地階にあるお店の中心には大きなテーブルが置かれ、季節のお花(このときは桜)が配され、気持ちのよい空間が作られています。
桜の花が飾られたお店
近くにお店を構える「天丼　金子半之助」ほど並ぶことはないので、このお店は金子半之助ファンにとっては穴場といえるかも。

帰りは「日本橋の顔」ともいえる三越・ライオン像の前を通ってみました。
このライオン像は春限定!?
ミモザで装飾されたライオン像に春らしさを感じましたよ。