個性的な古書店と窯焼きホットケーキが楽しめる神保町へ
No. 317
東京のみならず、日本最大規模の古本街と知られる東京都千代田区にある神田神保町。メトロ「神保町」駅に降りると駅周辺には約190店もの本屋が連なっています。
コレクターから資料探しをする人までがこぞって訪れる、歴史ある古本の街。
ひとえに古本といえども、各書店では専門分野があり、それを追求した本を収集しています。
今日は私のお気に入りの古本屋さんをご紹介しましょう。
まず、パリの街並にありそうなオシャレな外観の「magnif（マグニフ）」。
ここは雑誌を中心に扱う古本屋さんで、店内に入ると古いファッション誌から女性誌、ライフスタイル誌、写真集などがところ狭しと並べられています。
雑誌はその時代の資料性が高く、当時の流行を追うことができます。とくにこのお店ではファッション雑誌をメインにセレクト。ページをめくるたびに当時の様子がわかり、とても刺激的！
クリエイターのなかにはmagnifのファンという方が多いようです。
さて、神保町に訪れたのは2年ぶりに「神田古本市」が開催された3月18日。
開催2日目というのに雨天で、残念ながら道沿いを彩る古本市の名物「本の回廊」はシートをかぶったままでした。
さて、おすすめ古書店2軒目はmagnifにも近い「ボヘミアンズ・ギルド」。
このお店は1920（大正9）年に池袋に開業した老舗古書店「夏目書房」の支店です。2004（平成16）年に神保町に出店されました。
軒先では、この看板おじさまがお出迎え。
ボヘミアンズ・ギルドという名前から想像できるように、店内に収集されている本は「慣習にとらわれない自由奔放な芸術家たちの作品」が集まっています。とくに竹久夢二のオリジナル作品を多く収集されているそう。
洋書や写真集、美術書がひしめく通路を進むと2階へ上がる階段に続いています。
実はこの2階はアートギャラリー。訪れた時は2021年に最年少で若手芸術家の登竜門「岡本太郎賞」を受賞した作家、大西茅布（おおにしちふ）さんの個展が開催されていました。この展覧会のために描き下ろされた作品もありましたよ。
大西さんの心にグッと迫ってくる作品に出会うことができました。いいな、と思った作品にはやはり売約済み。まだ10代という若さの大西さん。これから将来が楽しみなアーティストを知ることができました。
古本だけでなく、アートにもふれられるこの書店が大好きです！
さて、神保町ではかねてから行きたいカフェがありました。
それが、「石釜ベイクブレット茶房TAMTAM」。
神保町に古くからある喫茶店「さぼうる」の近くにあるお店です。実はこちら、石窯焼きオーブンを使って焼き上げる「石窯ホットケーキ」や「石窯フレンチトースト」が大人気。
それを目当てに訪れる方が多く、行列を覚悟で行きましたが、幸運にもすぐに入れました。
店内はスイーツが名物のカフェというよりも、ウイスキーをたしなむオトナが集まるバーといった落ち着いた雰囲気。季節を先取りした桜の花が真ん中に活けてあり、お客さんの目を楽しませていましたよ。
注文した石窯ホットケーキが目の前に置かれました。
ぱっと見、炊飯器で作った蒸しケーキのようなホットケーキ。1人で完食できるか心配なほど、ボリューム満点です。
ホイップクリーム、メープルシロップ、バターと合わせる前にホットケーキを食してみました。外はサクッと、中はしっとりした食感。それほど甘くはないけれど、これだけでもじゅうぶん美味しい！意外にも軽い口当たりです。
バターがしみた生地にフワフワのホイップクリームをのせていただくと、至福のお味。
このホットケーキを焼く石窯焼きオーブンは「輻射窯（ふくしゃがま）」という窯を使っているのだそうです。この窯は通常の窯に比べて温度を厳密に管理できるので、特有な口当たりが生まれるそう。
最初は完食できるか心配していましたが、それは杞憂に終わり、バッチリ完食（笑）。次回は石窯焼きのフレンチトーストに挑戦するぞ！と早くもミッションを設定しました。ちなみにお店にはカレーやパスタなどの食事メニューも用意されています。
神保町の古書店はいかがでしたか?
この街にはまだまだ個性的で面白い書店がたくさんあるので、またいつか紹介できたらと思っています。
＜ご案内＞
magnif
東京都千代田区神田神保町1-17
TEL 03-5280-5911
http://www.magnif.jp
ボヘミアンズ・ギルド
東京都千代田区神田神保町1-1 木下ビル
TEL 03-3294-3300
http://www.natsume-books.com
石釜 bake bread 茶房 TAMTAM
東京都千代田区神田神保町1-9
TEL 03-3295-4787
https://twitter.com/tamtam_140923
