THE FUJIYA GOHONJINでティータイム
No. 210
今日は長野市にあるおしゃれなお出かけスポットへ。
JR長野駅から善光寺に向かう「善光寺表参道」（中央通り）は、大門交差点より手前から御影石を敷きつめた石畳に変わり、商家が軒を連ねています。
後で紹介しますが、この通りは夜になるとロマンチックなイルミネーションに彩られます。
目的地は善光寺の門前にある結婚式場・レストランの「THE FUJIYA GOHONJIN」。坂道の途中にある、西洋風の建造物がそう。威風堂々として表参道に溶け込んでいます。
ここはもともと「御本陣藤屋旅館」（ごほんじんふじやりょかん）という1646年創業の長野市内有数の旅館でした。
江戸時代、善光寺の門前には旅籠が連なり、その数はおよそ30軒だったとか。
「一生に一度は参れ」といわれた善光寺に詣でる人で、門前町はかなりの賑わいだったようです。当時から御本陣藤屋旅館は格式ある旅籠として知られていました。
北国街道から江戸に向かう参勤交代の際、この旅館を常宿としていたのが加賀藩前田家。そして、明治以降は有栖川宮をはじめ、伊藤博文、福沢諭吉などの著名人・文化人に愛されてきました。そんなエピソードからもこの旅館の由緒ある歴史がうかがえます。
現在の建物は1925年の竣工。善光寺仁王門の再生建築に指名された越前宮大工の師田庄左衛門によって、欧風の要素を取り入れた木造3階建ての旅館に生まれ変わりました。
しかし、2006年に宿泊業を休止し、ウエディングとレストランという現在の業態に転換したそうです。その背景には長野までの新幹線開通で、首都圏から日帰りできるようになり、宿泊客が減少したからだとか。
さあ、THE FUJIYA GOHONJINの中に入ってみましょう。
アールデコ調の建築様式の建物は長野市で初めて国の登録有形文化財に指定されています。
正面の2本の柱はイオニア式を意識したものだとか。
エントランスを抜けた左側にはアールデコ調のこんなステキな待合スペースが。
紅色の絨毯と青色のタイルを貼った暖炉がキモチを高揚させてくれます。
こじんまりとして、誰かと語らいたくなるようなあたたかみのある空間。
外観はアールデコ調ですが、建物の内側は木造数寄屋造を基本とした和の空間が広がっています。そこに欧風の要素を取り入れているのが、この建物の面白いところ。
大階段は総檜造り。
由緒ある建物の歴史を語っているようです。
せっかくなので、ザ・ラウンジでお茶を楽しむことにしました。
近未来的なデザインのバースペースを通り抜けたところにあるのが、ザ・ラウンジ。
ここが和室だったことを重厚な欄干や坪庭が伝えています。
私が案内されたのは風情のある坪庭をゆっくり眺められる窓側の席。
座り心地のよいチェアが嬉しい(^｡^)
オーダーしたのは自家製ティラミスとジンジャーがたっぷり入ったチャイ。
ほろ苦さと甘みのバランスがよいティラミス。
大きなお皿に盛り付けられている、プレゼンテーションも素敵。
民芸チックでおしゃれなカップに注がれているチャイ。
ジンジャーの効果で、からだがあたたまりました。
このお席、思索にふけるにはもってこいの場所。
夕方になるとランプに灯りがともされ、ロマンチックな雰囲気になるんですよ。
ザ・ラウンジの脇に伸びている廊下。
アールデコ調の外観からは想像できない、日本情緒を感じさせてくれます。
昔の写真を見つけました。
ザ・ラウンジの奥はオトナのムード満点の「ザ・ダイニング」。
ここでのお食事はまたのお楽しみに。
さて、個人的に館内で一番シンパシーを感じたのが「ザ・サロン」でした。
ここは大正、昭和の時代に人々に親しまれた「藤倶楽部」という社交場でした。紅い重厚なカーテン、一本木のバーカウンターが「古き良き」時代を感じさせてくれるよう。
さて、夜になると柿色のイルミネーションが通りを彩ります。
訪れた時は、長野駅前から善光寺までのびる全長約1.8kmの通りをイルミネーションで彩るイベント「善光寺表参道イルミネーション」が開催されていました。
善光寺も観光客がまばらで日中の賑わいとは全く別の顔を見せてくれます。
これは長野駅に向かう途中で見つけた、レストランに併設する透明のドーム。
この中に入るとお食事もイルミネーションも、どちらも楽しめますね。
長野市には善光寺に訪れる方が多いと思います。
冬はロマンチックでおしゃれなイルミネーションも楽しめるので、ぜひお出かけのプランに加えてくださいね。
〈ご案内〉
THE FUJIYA GOHONJIN
長野県長野市大門町80
TEL026－232－1241
https://www.thefujiyagohonjin.com
「善光寺表参道イルミネーション」
●表参道イルミネーション
2019月11月23日（土・祝）～3月1日（日）
●善光寺イルミネーション
2020年2月22日(土)～3月1日(日)
