世界の恒久平和を願って「広島平和記念公園」へ
No. 229
8月は「平和」について考えさせられる月です。
8月6日は広島、9日は長崎に原爆が投下され、8月15日は終戦記念日を迎えます。
今回は世界の恒久平和を願って整備された広島平和記念公園へお出かけしましょう。
実は今年初めて、「広島平和記念資料館(原爆ドーム、平和記念公園等含む)」が世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」の「外国人に人気の日本の観光スポット2020年版」で1位を獲得しました。
このランキングで広島は毎年、平和記念公園と厳島神社が毎年上位にランクインしていました。
平和記念公園が長年1位を独占していた京都の「伏見稲荷大社」をおさえて首位に立ったということは、海外からも広島が歴史的に重要な地だと認められているのかもしれませんね。
広島市内随一のアーケード街「本通り」を通り抜けると平和記念公園の入り口へ。
平和記念公園は川の多い広島の街中にある大きな公園です。
園内にはユネスコ世界遺産に登録されている原爆ドームをはじめ、原爆死没者慰霊碑、原爆投下当時の様子を展示を通して伝える広島平和記念資料館、平和を希求する像などが見られます。
原爆投下された広島のシンボルとして、多くの人が思い起こすのは「原爆ドーム」ではないでしょうか。
この建物は大正4年(1915年)に広島県内の物産品の展示・販売を行う施設「広島県物産陳列館」として建設され、その後「広島県立商品陳列所」や「広島県産業奨励館」などに名称を変えました。
この建物の設計者はチェコの建築家ヤン・レツルです。
楕円形のドームを配した西洋風の建物は、戦前の広島では大変モダンな存在でした。元安川岸に建設されていたことから、川面にその造形の美しさを落としていたことでしょう。
しかし、昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分、人類史上最初の原子爆弾がこの建物から南東に約160メートル離れた島病院の上で炸裂します。広島県産業奨励館は凄まじい爆風と熱線を浴びて破壊され、天井から火を吹いて全焼。戦後、この建物は頂上にドームを思わせる残骸の形から「原爆ドーム」と呼ばれるようになりました。
原爆ドームは柵越しの見学になりますが、ここを訪れた人は皆、足をとめてじっくりと原爆の痕跡を鑑賞します。
もしかしたら、原爆投下という歴史の証人でもあるこの建造物と向き合うことで「平和」を思索しているのかもしれません。
原爆ドームから川沿いを歩き、元安橋を渡って「原爆の子の像」へ。
ここには数え切れないほどの折り鶴が捧げられていることから、別称を「千羽鶴の塔」といいます。
石碑の頂上には、折り鶴を両手で掲げる少女のブロンズ像が配されています。
この少女のモデルとなったのは、原爆投下による白血病で他界した佐々木禎子(さだこ)さんという女の子です。この石碑は2歳の時に広島市内で被爆した禎子さんの同級生たちが募金活動を行い、作られました。
石碑にはこんな言葉が刻まれています。
「これはぼくらの叫びです これは私たちの祈りです 世界に平和をきずくための」
被爆者の禎子さんは入院していた病院で、元気になることを願って毎日、折り鶴を折っていました。千羽鶴を折るとその願いは叶えられると信じて…。その数は1000羽以上だったとか。
少女が両手で頭上に掲げた折り鶴は祈りの象徴です。
2016年には、オバマ元米大統領が4羽の折り鶴を携えて広島を訪れたことも記憶に新しいところですね。
原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)は戦後7年を経た、昭和27年(1952年)8月6日
に建立されました。
この碑は当時、東京大学教授だった建築家・丹下健三が設計したもので、原爆投下された広島の再建を願って建てられました。
慰霊碑には原爆の犠牲者となった魂を雨露からしのぐためアーチ型の屋根が取り付けられています。原爆によって他界した人たちへの優しさを感じますね。
「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という碑文が刻まれた慰霊碑の前ではで祈りを捧げる人が後をたちません。
毎年8月6日にテレビで中継される平和記念式典も、この慰霊碑の前で行われます。碑の奥には平和の灯がずっと灯されています。
慰霊碑に向かいあうように建っているのが「広島平和記念資料館」です。
原爆投下された頃の広島の様子などを写真や資料、被爆者の遺品といった展示物を通して紹介する資料館は昭和30年(1955年)に開館し、数回のリニューアルを経て、展示物を充実させてきました。
なかにはあまりの惨状に目を覆ってしまう展示物もあるかもしれませんが、ぜひ広島を訪れたら足を運んでほしい場所です。
なお、この資料館の設計を手がけたのは、前述の慰霊碑の建築家でもある丹下健三。
個人的には夜に見る資料館の外観に美しさを感じてしまいます。
休憩スポットとしてオススメしたいのが、平和記念公園対岸の河川緑地にある「カフェ ポンテ」です。
ポンテはイタリア語で「橋」という意味で、このカフェのすぐ近くには元安橋が架かっています。店頭に並ぶたくさんのオレンジがエネルギッシュで、そのビタミンカラーが目の前を通り過ぎる人たちの目を楽しませてくれます。
ここはリバーフロントのオープンカフェになっていて、広島県産の食材を多く用いたイタリア料理が人気です。
また、このカフェの前から厳島まで水上バス「ひろしま世界遺産航路」が就航しています。
平和記念公園から厳島へと水上バスで船の旅をするのもオススメですよ。
<ご案内>
平和記念公園
広島県広島市中区中島町1
TEL 082-504-2390
カフェ ポンテ
広島県広島市中区大手町1-9-21
TEL 082-247-7471
https://www.caffeponte.com/
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