ファッションウィッグのフォンテーヌが
運営する、見るだけでも楽しい
おしゃれなお出かけ情報をお届け♪

ファッションウィッグのフォンテーヌが運営する、
見るだけでも楽しいおしゃれなお出かけ情報をお届け♪

メインイメージ

映画『ドライブ・マイ・カー』ロケ地・広島の中工場へ

No. 327

2022年のアカデミー賞国際長編映画賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』(監督:濱口竜介、原作:村上春樹)をご覧になった方もいらっしゃるでしょう。

この映画のロケ地の大部分を占めるのが広島です。
今回は映画のシーンに登場したゴミ処理場「広島市環境局 中工場」を訪ねました。
中工場内観

広島市内を旅する人のほとんどが訪ねると言ってもいいほど有名な観光地が「平和記念公園」。原爆が投下された広島の「平和の象徴の地」として建築家・丹下健三が設計しました。この公園から海に向かう延長線上にある吉島(よしじま)通りのつきあたりにあたる海に面して建っているのが「中工場」です。

中工場に行くにはバスが便利ということで、私は広島バス(通称 赤バス)に乗って行きました。
三島食品前

広島駅前から約40分。下車した「南吉島」バス停から中工場に向かって歩く途中に見かけたのが「三島食品」。シソのふりかけで有名ですよね。会社近くの道路でシソを描いたマンホールを見つけましたよ。三島食品の看板の向こうに見えるのが「中工場」です。
マンホール

『ドライブ・マイ・カー』のなかでも中工場のシーン(ゴミを処理する場面)はアーティスティックで印象に残りました。
2階の見学スポット「エコリアム」はゴミ処理場の概念を覆すほど、メタリックな色彩とガラスで構成されたダイナミックでモダンな空間。
エコリアム内部

誰でも自由に見学できるエコリアムは真ん中に通路が伸び、その左右にはガラス越しにゴミ処理を行う装置(設備)を眺めることができます。(入場無料)
これはゴミを運ぶ「パッカー車」。
車

エコリアムの通路を通り抜けると海を望むデッキへ。
デッキ

目の前は広島湾で、海の向こうには戦時中に外国人捕虜が暮らした似島(にのしま)や工場群が眺められます。

ところで、この中工場を設計したのは私の好きな建築家・谷口吉生。このブログで紹介した山形県鶴岡市の「土門拳記念館」も彼の手によるものです。実は谷口吉生は丹下健三都市・建築研究所に勤め、その系譜を継ぐ、いわば弟子といえる存在。師の設計した平和記念公園の延長線(平和の軸線)上に、海へと通り抜けられるよう中工場を建てたことは「平和の象徴の地・ヒロシマ」への理解と師の想いを受け継いでいるといえるでしょう。海は平和の軸線の最終地点というわけです。この解釈に泣けてきます…。
丸窓から見える景色

デッキ前の窓

映画のなかでも主人公の家福悠介(西島秀俊)がドライバーの渡利みさき(三浦透子)に案内されて中工場に行くシーンがあります。その時、みさきは家福に「平和の軸線」について話します。濱口竜介監督もロケ地を探している時に中工場を視察した際、この平和の軸線上に中工場が建てられていることを知り、広島で撮影を行うことを決めたそうです。

広島湾に沿って整備されている公園「エコアシス」も映画に登場しています。
海辺

釣り人

ここは絶好の釣りスポットで、この日も釣り人がちらほら。
釣りをしていた男性にお話をうかがうと、「早朝からチヌを狙って来ました」とのこと。
春から初夏にかけてはクローバーが一面に咲き、犬連れの散歩をする人にも会いました。
クローバーの咲く園内

広島の繁華街からそれほど離れていないのに静かに休息できる中工場ですが、映画の影響もあり、今では土日に駐車場が使えなくなるほど、多くの人が訪れるそうです。

中工場の前に伸びる立派な道路は戦時中に日本陸軍の広島飛行場だった場所。滑走路の跡地を転用しています。
元滑走路

さて、中工場を見学した後は広島市内の繁華街へと戻り、アーケード街「本通り」にあるアンデルセン本店へ。
アンデルセン外観

この建物は1925年に建設され、最初は元「三井銀行広島支店」でした。正面入り口の円柱が当時の面影を残しています。1943年に「帝国銀行広島支店」となり、1945年に原爆が投下され、建物は深刻な被害を受けましたが、再建。1967年にアンデルセンがこの建物を所有して以来、改装を繰り返し、ずっとこの場所で営業しています。マーメイドのレリーフは古くからアンデルセンのシンボルです。
マーメイドレリーフ

BANCARTの記事でも書きましたが、アンデルセンのコンセプトは「食卓に幸せを運ぶ」こと。
花のコーナー

パンをはじめ、ケーキ、チョコレート、お惣菜、お花など、心を和ませ、幸せな気分にさせるものが一堂に集まり、いつも多くの人でにぎわっています。
デッキ

せっかくなので、イートインコーナーでパンをいただくことにしました。シナモンロールとシュークリームをゲットし、テラス近くのイートインシートへ。アンデルセンといえばデニッシュが有名ですが、カスタードクリームが沢山つまったシュークリームもなかなか美味なのです。
シュークリーム

中工場は戦後の復興シンボルである平和記念公園の延長線に建ち、アンデルセンの建物は被爆の歴史を刻んでいる…。広島市内には見どころが点在していますが、ぜひ、この2つの場所にも立ち寄って、街の歩みを感じてくださいね。
中工場窓

<ご案内>
広島市環境局 中工場
広島県広島市中区南吉島1-5-1
TEL 082-249-8517

広島アンデルセン
広島県広島市中区本通7-1
TEL 082-247-2403
https://www.andersen.co.jp/hiroshima/

-
-,