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心に沁みる美しい建築。水と緑に囲まれた土門拳記念館へ

No. 265

酒田を訪れた際、山居倉庫を改造した「夢の倶楽」へ行きました。
ケヤキ並木と黒壁の倉庫が秩序正しい美を作りだしている山居倉庫から南西方面へ約15分、レンタサイクルを走らせ、飯森山公園にある「土門拳記念館」へ。
こちらも酒田で絶対行きたいと思っていた場所です。
土門拳記念館外観

皆さんは土門拳という写真家をご存じでしょうか。
土門拳(1909~1990) は酒田出身で、昭和を代表する写真家です。
事実を冷静に伝える報道写真をはじめ、著名人のスナップ、ライフワークとして取り組んでいた寺院や仏像の写真などが有名で、多くの写真家やさまざまな分野の芸術家に影響を与えてきました。
池に浮かぶ土門拳記念館

今もなお、その作品に心を動かされる人は数知れず。

遠くに鳥海山を望める、自然林の豊かな飯森山公園の静かな池に土門拳記念館は佇んでいます。
そもそもこの記念館が作られたのは、土門拳が1974年に酒田市名誉市民第1号となったことから。祝席で自分の全作品を郷里酒田市に寄贈したいと語ったことが始まりです。

土門拳の思いに応え、酒田市が1983年に完成させたのが、この土門拳記念館です。
館内には土門拳の作品約7万点を収蔵し、ライフワークだった「古寺巡礼」をはじめとする数々の写真を保存する傍ら、定期的に作品を入れ替えて公開しています。
蓮

エントランスではたくさんの蓮が出迎えてくれました。

私が訪れた時は「室生寺」の作品が展示されていました。
室生寺1

展示室を埋め尽くしているのは白黒の作品たち。
そのモチーフになっているのは静謐な空気をたたえた寺院や仏像の数々。
室生寺2

一点ずつ見入っていると、人里離れたお寺にお参りに来ているような気分になるから不思議です。

その脇では土門拳賞を受賞した写真家の展示も。
受賞作品展

館内には写真だけでなく、土門拳の愛用品も展示されています。
こちらは愛用の陶印と指輪。
愛用品

この記念館は土門拳の写真以外にも、土門の親交のあった芸術家の作品に出会えます。
銘板とポスターなどを手がけたのはグラフィックデザイナーの亀倉雄策。
銘板

ロゴが美しいです!

こちらはイサム・ノグチの「土門さん」というタイトルの彫刻が立つ中庭。
土門拳の写真を見終わった後、自然光が降り注ぐ廊下から、また屋外に出てからもこの作品は鑑賞できます。
彫刻

彫刻の下に敷かれているのは大理石。この石を流れる水は、記念館の目の前にある池に注がれます。

窓の外に見えるのは草月流三代家元である勅使河原宏が造園した庭。
庭

タイトルは「流れ」といい、勅使河原宏が初めての作庭です。
森の中に続く石の流れが麗しい!

そして周辺の自然と調和した土門拳の世界観を収めた記念館を設計したのが、谷口吉生。
池とともに花崗岩の外壁の直線的な建築は聖地を訪れた時に通じる清々しさを感じさせます。
建築物

この記念館の設計が評価され、谷口吉生は「第九回吉田五十八賞」を受賞しました。
谷口吉生はニューヨークの近代美術館(MoMA)新館の設計を手掛けたことでも知られていますね。

屋外に出て、池の向こうから記念館を眺めてみることにしました
太陽の光で輝く草花と樹木の深々としたが匂いが混ざり合った池の端から、本当に素晴らしい建築だな、と見入ってしまいました。
池からの建築物2

池の鳥

離れがたい土門拳記念館を後に、ランチタイムに訪れたのは「満月」。
山形県はラーメン消費量が日本一だとご存じでしたか?
なかでも酒田は自家製麺の店舗数が日本一だとか。

今回うかがった満月は1960年(昭和35年)に創業した老舗。
開店前から行列ができるラーメン店として知られるこのお店は案の定、入店までに30分ぐらい待ちました。ちなみにこのお店は東京・三鷹にも進出しています。

名物は薄い皮に包まれた雲呑がたくさん浮かぶワンタンメン。
ワンタンメン

澄んだスープは煮干し、アゴ、昆布でとっています。
スープにツルツルの自家製麺と軽い雲呑がよく絡み、あっという間に完食!
餃子

餃子も美味しくいただきました。

土門拳記念館の建築に、土門のライフワークだった作品群にふれ、そして美味しいワンタンメンを堪能した1日でした。

〈ご案内〉
土門拳記念館
山形県酒田市飯森山2丁目13
Tel 0234-31-0028
www.domonken-kinenkan.jp

満月
山形県酒田市東中の口町2-1
Tel 0234-22-0166
http://www.sakata-mangetsu.com/sakata/

※詳しい営業情報は、お問い合わせください

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