歴史とモダンが響き合う!神戸・北野で異国を歩く
No. 458
神戸・北野は異国の文化を色濃く反映した建築巡りが楽しめるエリア。
以前、北野天満神社を訪れた記事で紹介した「風見鶏の館」(国指定重要文化財「旧トーマス住宅」)は明治の終わり頃にドイツ人貿易商のために建てられた、北野のシンボル的な建造物。

塔の頂で風に合わせて向きを変える鶏は風向きを知らせるほか、魔除けの意味もあるそうです。
レンガを使った重厚な風見鶏の館の前には「北野町広場」があり、異人館巡りをする人たちの憩いの場として親しまれています。ここには楽器を手にした音楽家のパブリックアートが4体置かれ、彼らと記念撮影する人も多いです。

異人館通り周辺には洋館が点在し、現在16館が公開されているそう。
気になる洋館があれば、立ち寄ってはいかがでしょうか。

こちらの「ラインの館」は1915年、フランス出身のJ.R.ドレウェル夫人によって建てられました。夫人は明治初期に来日し、58歳の時にこの館を完成後、1920年に亡くなるまで、この洋館で暮らしました。


1978年、神戸市がこの館を購入し、一般公開に向けて案内センターとして整備。その際、市民からの公募により、外壁の下見板(ライン)が美しいことから「ラインの館」と名付けられたそうです。
おそらく、北野エリアで無料で見学できる異人館はこちらだけ。館内にはピアノが置かれた居間があり、当時ここで暮らした外国人モダンな暮らしを連想させます。


自然光がたっぷりと射し込む2階の廊下窓からは街の景観が広がります。個人的にこの空間が設けられている点に設計の秀逸さを感じます。ずっとここに佇んでいたくなるような居心地の良さ。
また、異人館が点在する北野には洋館を活かしたお店も点在しています。
その代表格ともいえるのが、スターバックスや中華料理の「東天閣」など。


今回は時間がなかったので、入店は叶わなかったのですが、いつかゆっくりと訪れたいと思っています。
坂を下ると突然、異なる文化圏への扉が現れます。
こちらは1935年に建てられた日本最古のイスラム寺院「神戸ムスリムモスク」。

パールストリート沿いに突如現れる、ドーム型の屋根、2つの塔のある建造物は一見、敷地内に入りがたい印象。しかし、寺院の関係者はフレンドリーで、礼拝場を案内してくださいました。


神戸在住のトルコ人、亡命タタール人、インド人貿易商らの寄付・出資により建てられた、イスラム様式の美しいモスクは、神戸大空襲や阪神・淡路大震災を乗り越えた「奇跡のモスク」として知られています。ムスリム以外も見学も可能なので、ぜひ日本では希少なモスクを体験してはいかがでしょうか。
ランチは寺院の方におしえていただいた、モスクの並びにあるハラルフードのカフェで。


オーダーしたのはファラフェルボウル。ひよこ豆をすり潰して揚げたコロッケに煮たファラフェルは外はかりっと、中はほっくりとした食感。写真ではわかりにくいですが、こちらのファラフェルはパセリやコリアンダーなどを使った緑色で、とても美味でした。
神戸ムスリムモスクの近くに、ある施設を発見しました。
トアロード沿い、白壁に青い看板のその建物は「神戸北野ノスタ」。

2024年秋に開業したノスタは、1931年建築の旧北野小学校をリノベーションした複合施設です。元校舎にはカフェやベーカリー、ショコラトリーが入り、階段や踊り場にははかつて子どもたちの声が響いたであろう趣が宿っています。


明治、大正代に建てられた外国人が暮らした洋館、昭和初期に誕生した日本初のモスク、令和に生まれ変わった小学校…。それぞれの施設は時代の重みを持ったまま、街を形づくっています。異なる文化が背景にある建物が不思議と調和しているのが、神戸・北野の尽きることのない魅力なのだと思います。

<ご案内>
神戸北野異人館街
https://www.kobeijinkan.com
神戸ムスリムモスク
兵庫県神戸市中央区中山手通2-25-14
078-231-6060
https://www.kobemosque.com/
神戸北野ノスタ
兵庫県神戸市中央区中山手通3-17-1
078-891-6442
https://kobekitano-nosta.jp/