秀吉の夢の跡。厳島神社を見下ろす丘に建つ千畳閣
No. 188
秋はおしゃれしてお出かけしたくなる季節。
今回はユネスコ世界文化遺産に登録されている広島の厳島神社の近くにある「千畳閣(せんじょうかく)」を紹介しましょう。
海に浮かぶ厳島神社から眺めた千畳閣。
丘の上に建つ瓦屋根の建造物がそうです。
千畳閣は厳島で一番大きな建造物。
畳の数が857分で、千畳に近いことからこの名前で呼ばれるようになりました。
正式には「豊国(とよくに)神社」といいます。
歴史好きの方なら「豊国神社」と聞いて、ピン!ときたかもしれませんね。
この建造物に豊臣秀吉が関係していることを。
豊国神社は秀吉を祀る神社として全国各地にありますが、この建物もその1つです。
千畳閣は秀吉が九州の島津征伐の途中、宮島に立ち寄った際、戦没将兵の霊を供養するため、経典を納める場所として建立されました。しかし、着手から13年後、建築途中で秀吉が他界したため、未完成です。
木造りのダイナミックな建物の中には靴を脱いで入ります。
大きな柱と板の間が広がっている光景は圧巻。
息を飲んでしまうほどの迫力です。
完成していない部分の1つが天井で、小屋組が見えます。
渡された梁にはさまざまな奉納物が掛けられています。
そのひとつひとつに美しい年季を感じます。
宮島のシンボルでもある「しゃもじ」も。
千畳閣は江戸時代に入ると建造が中止になりました。
なぜなら、造り続けると徳川幕府から「謀反」と見られてしまうから。
そんな時代背景もあり、この建物は完成の陽の目をみなければ、かといって壊されることもなく…。
豊国神社となったのは、明治時代になってからのことでした。
ある意味、数奇な運命をたどった建造物なのです。
建物の周りには広い縁側であり、瀬戸内に流れる風と光を感じる気持ちのよい場所となっています。
しばらくここに座って休憩する人もちらほら。
個人的には読書やヨガをしてみたいですね。
眼下には厳島神社も見えます。
屋根の丸瓦には金箔が押され、「王」の文字が見えます。
金箔を好んだ秀吉の趣味がうかがえますね。
この瓦も未完成のもの。
一説には、秀吉が建てた建造物の中で現存する金箔瓦は千畳閣だけだとか。
千畳閣の近くには「龍髯の松(りゅうぜんのまつ)」という長い枝の松が見られます。
名前の通り、龍の長い髭を思わせる松は200年もの歳月を生き延びてきました。
千畳閣が建つ小高い丘から降りると、島で一番繁華な「表参道商店街」へと向かいます。
別名を「清盛通り」といい、ここにはもみじ饅頭をはじめとするお土産品などが勢ぞろい。
縁起のよい言葉が書かれたしゃもじが沢山ぶらさがっていました。
皆さん、ご存じでしょうか。
厳島は日本一の「木製しゃもじの産地」であり、しゃもじ発祥の地でもあります。
しゃもじを広めたのは光明院の修行僧だった誓信。彼はしゃもじのカタチが弁財天が手に持つ琵琶に似ていることから、厳島にそびえる御山(みせん)の御神木で作り、お土産として売り出したそう。
このしゃもじを使うと福が来ると評判になり、やがてその言い伝えは全国に広がっていきました。
商店街では広島産のレモンとジンを使ったアルコールドリンクも。
これまでにはなかった新しいスポットとして注目を集めているのが、スタバを併設した「MIYAJIMA BREWERY」。1階にスタンド、3階がレストランとなっています。
ここの醸造場で作られたクラフトビールを楽しむことができますよ。
島の名物の1つが「牡蠣」です。
お酒とともに味わうのもいいですね。
島に降り立つと、いたるところで牡蠣が焼かれているので、散策途中にいただくのもよし。
落ち着いて味わいたい場合は食事処に入るのもよいでしょう。
厳島を訪れる機会がありましたら、厳島神社や千畳閣をはじめとする歴史あるスポットや地元のグルメを楽しんではいかがでしょうか。
<ご案内>
豊国神社(千畳閣)
広島県廿日市市宮島町1-1
0829-44-2020
MIYAJIMA BREWERY (宮島ブルワリー)
広島県廿日市市宮島町459-2 3F
0829-40-2607
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